劇場版『ヒロアカ』で宮野真守の「お嬢様」に悶絶 執事役・ジュリオの愛おしさを熱弁する

『ヒロアカ』宮野真守の執事役に悶絶

 そんなジュリオが最も大切にしているのが、資産家シェルビーノ家の令嬢・アンナだ。特別な個性ゆえにダークマイトに狙われる彼女は、本来天真爛漫な性格で、ジュリオとは令嬢と執事の関係にある。演じるのは、宮野と同じくゲスト声優として作品に参加する生見愛瑠。このジュリオとアンナの組み合わせから生まれた「ジュリアン」というカップリングの人気は凄まじく、映画公開後、SNSでは連日ファンアートやコメントが溢れている。

 この「ジュリアン」にまつわる話の中で、ファンの間で注目を集めている小ネタがある。それは、劇中に度々挿入される花のカットが「プリムラ・ジュリアン」であるという点だ。この花の花言葉には諸説あるものの、「青春の喜びと悲しみ」「永続する愛」といった意味が込められているという。実際に映画を観たファンなら、この演出の意図に思い当たる節があるのではないだろうか。公式がどこまで意図したのかはともあれ、こうした演出の細かさにも「いや、『ヒロアカ』ならやりかねない……」とつい頷いてしまう。核心をつくネタバレは避けるが、ジュリオとアンナの劇中でのラストシーンのやりとりを観た後では、どうしても“その先”を考えずにはいられない。

 先日、原作が完結を迎えた『ヒロアカ』。今回で第4弾となる劇場版シリーズは、原作者が総監修を担うオリジナルストーリーでありながら、テレビアニメの時系列に見事に沿った内容になっているのが特徴でもある。本作では、すでに崩壊した社会が背景となる本編の流れを尊重しつつ、新たなエピソードを巧みに織り込んでいた。原作完結後の今、劇場版次回作がどのような展開を見せるのか、ファンの期待は否が応にも高まる。

 アニメの劇場版というと、往々にして「ゲスト声優を出演させるための回」になってしまいがちだが、本作はその罠に見事に陥ることなく、シリーズの幕間に宮野真守演じるジュリオ・ガンディーニという、これ以上ないほど愛すべきキャラクターを生み出してくれた。『ヒロアカ』ワールドの懐の深さを改めて感じさせるジュリオの誕生に、感謝せずにはいられない。

■公開情報
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』
全国公開中
原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:岡村天斎
脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:馬越嘉彦
音楽:林ゆうき
アニメーションアドバイザー:長崎健司
アニメーション制作:ボンズ
声の出演:山下大輝(緑谷出久役)、岡本信彦(爆豪勝己役)、佐倉綾音(麗日お茶子役)、梶裕貴(轟焦凍役)、石川界人(飯田天哉役)、宮野真守(ジュリオ・ガンディーニ役)、生見愛瑠(アンナ・シェルビーノ役)、三宅健太 (オールマイト/ダークマイト役)ほか
製作委員会:東宝、讀賣テレビ、集英社、ボンズ、日本テレビ、電通、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ムービック
配給:東宝
©2024「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 © 堀越耕平/集英社
公式サイト:https://heroaca-movie.com/
公式X(旧Twitter):@heroaca_movie

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