『マウンテンドクター』宮澤エマと大森南朋が抱く山への愛憎 登山ツアーに潜む落雷の恐怖

『マウンテンドクター』山に潜む落雷の恐怖

 山の事故が多発している。例年を上回るペースで遭難が報じられており、人命が失われるニュースが後を絶たない。『マウンテンドクター』(カンテレ・フジテレビ系)第4話は、夏山で発生する落雷を通して命の尊さを伝えた。

 鮎川山荘では、オーナーの鮎川(石丸謙二郎)が7年ぶりにツアーを企画。小屋番の絵理子(工藤美桜)に引率され、山岳医の歩(杉野遥亮)も帯同することになった。山道を行く一行の前に積乱雲が迫り、やむなくツアーは中止となる。急いで樹林帯に避難するが絵理子が雷に打たれてしまう。

 天候の急変は山ではつきものであり、さえぎるもののない稜線で雷に遭遇したら、窪地などへ避難し、姿勢を低くして雷雲が通り過ぎるのを待つのが基本だ。グループ登山では電気が流れるのを防ぐため、密着せず一定の距離を置くのがセオリーである。絵理子はツアー客を稜線から退避させたところで、立ったままの姿勢でいたため雷が直撃したと思われる。雷に打たれると心停止などの外傷のほか、認知機能に後遺症が残ることもある。雷を避けるため、天候の変化に備えて標高の高い山では早出早着を心がけたい。

 第4話の主役は山岳看護師の玲(宮澤エマ)だった。鮎川の孫で、かつて山荘の看板娘だった玲には忘れようにも忘れられない後悔があった。ちょうど7年前の出来事で、玲が引率した冬季ツアーには山岳医の美鈴(中越典子)が同行していた。ツアー客の数人が体温の低下を訴え、美鈴が処置している間に、先に行った他のツアー客と玲は道迷いをしてしまう。雪に覆われた登山道は目印がないためルートを外れやすく、玲たちは体力を消耗して救助を待つ身となった。

 救助隊が到着し、ツアー客を連れて現場を離れようとしたその時、雪崩が起きる。最後までその場にとどまった美鈴は雪崩に飲み込まれ、行方不明になった。美鈴を失った事故以来、玲は山を嫌いになった。時期は異なるが、大自然の猛威にさらされ、犠牲者を出してしまったこと。玲が眉を寄せて険しい表情をしていた理由は、過去のトラウマに起因していた。

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