河合優実×佐藤二朗×稲垣吾郎、社会問題を映画にする意義 “明るい”現場でのエピソードも
映画の内容とは対照的だった“明るい”撮影現場
ーーそんなお三方の印象的だったシーンを教えてほしいです。
稲垣:特に3人のシーンは明るい場面が多かったですよね。
佐藤:そうそう。カラオケのシーンで桐野が歌ったじゃない。あれ、吾郎ちゃんファンは大喜びだよ。
稲垣:いやいや(笑)。
河合:桐野と多々羅がある場所に酔っ払って行くシーンも面白かったです。2人のほっぺを赤く塗りすぎていないか、って。
稲垣:そんなことあったね〜。
佐藤:予告で、泣き叫ぶ杏を多々羅が抱き抱えるシーンがあったと思うんだけど、そこで俳優人生で初めての経験があったんですよ。このシーンを撮る前、優実ちゃんが「二朗さん。ちょっといいですか」と手を握ってきて。後輩の俳優にそんなことをやられたら、もう絶対にこのシーンは外せないな、と思いましたね。
稲垣:そんなことがあったんですね。
佐藤:優実ちゃんに(理由を)聞いたら、「二朗さんの体温をちゃんと感じたいから」って。そういうことでお芝居が変わるかどうかは分からないけど、多分俺も優実ちゃんも、そういうことで“変わる”と信じてる。後輩にそうしたことをやってもらえて、“俺もやらなアカン”と思えたから、優実ちゃんには感謝しています。
河合:「なぜそうしたのか説明しろ」と言われたら難しいんですけど、手を握ることで変わるかもしれないなら、握らせてもらおうと思いました。「頑張りましょう」という握手ではなくて、「ちょっといいですか?」って(体温を感じたかった)。
稲垣:当時、まだそこまでシーンを重ねた時期じゃなかったでしょうし。
佐藤:そうそう。結構勇気を持ってやってくれたみたいでね。でも、手を握ってくれたことで、なぜ彼女がそれをやったのか感じられたんですよ。
稲垣:勇気はいるけど大切なことですよね。そう思ったとしてもできないことが多いから。
ーー「やらないよりやった方がいい」と判断されたんですね。
河合:今回の役に関しては特にそう思いましたね。
稲垣:あれはいいシーンでした。
ーー撮影中の話も出てきましたが、現場はどんな雰囲気だったんですか?
佐藤:ここまで重いやつだと、多少引きずっちゃうんだけど、現場では3人で楽しく話していましたね。吾郎ちゃんと話して印象的だったのは、「今までの経験で一番寒かった現場と、一番暑かった現場」の話。
河合:そんな話をされたんですね(笑)。
佐藤:俺が一番寒かった現場を言ったら(稲垣が)負けたと思ったのか「悔しいな。勝ちたいな〜!」って。
稲垣:もともと二朗さんが自分の切り札となるエピソードを持っていて。勝つのを分かった上で話を振ってきたっていう。
佐藤:そうそう。だからこそ「悔しいな〜!」ってね。
河合:(笑)。
稲垣:そんな感じで明るく話していたので、今思えば、“河合さん大丈夫だったかな”と思いますよ。
河合:いやいや、まったく大丈夫でした。私も(役を)引きずるタイプではないので、杏、多々羅、桐野の関係性のように、おふたりがこの映画をどんどん明るい方に引っ張って、バランスをとってくださったなと思います。風通しのいい現場でした。
■公開情報
『あんのこと』
新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほかにて公開中
出演:河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子、早見あかり
監督・脚本:入江悠
製作:木下グループ、鈍牛倶楽部
制作プロダクション:コギトワークス
配給:キノフィルムズ
©2023『あんのこと』製作委員会
公式サイト:annokoto.jp
公式X(旧Twitter):@annokoto_m