河合優実が『不適切にもほどがある!』でお茶の間に“見つかる”! 昭和の女子高生役の衝撃

河合優実が連ドラでお茶の間に“見つかる”!

 時折、ドラマを観ていると「見つけた!」と思う瞬間がやって来る。

 ビジュアル、演技、役とのシンクロ率が極限に高まった俳優を見て、雷に打たれたようなあの感覚だーー。

 過去には『3年B組金八先生』(TBS系)の上戸彩にも感じたし、近年だと、NHK連続テレビ小説『あさが来た』の清原果耶、『おじさんはカワイイものがお好き。』(読売テレビ・日本テレビ系)の藤原大祐、『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日系)の板垣李光人など、自分がこれまで注目していなかった、もしくは作品で見かけることがなかった俳優が、突然目の前に現れて、光を放っていく……。私と同じように、いろんな人が、いろんな作品で、新進気鋭の俳優を「見つけた!」と感じていると思う。

『不適切にもほどがある!』第1話

 今クールで、特にその感覚になったのは『不適切にもほどがある!』(TBS系)に出演中の河合優実である。もちろん、河合はすでに実績があって、『第64回ブルーリボン賞』新人賞や『第95回キネマ旬報ベスト・テン』新人女優賞など、映画賞も多く受賞しているし、上記で挙げた俳優含め、アンテナを張っている人なら、すでに有名な俳優だったのかもしれない。ただ、それだけ視聴者に衝撃を与える俳優は、そうそう見つからないものなのだと思う。

 『不適切にもほどがある!』は、1986年に生きる主人公の小川市郎(阿部サダヲ)が、2024年にタイムスリップしてしまう話。“昭和のおじさん”の極論が、令和に生きる人に考えるきっかけを与えるという作品だ。

『不適切にもほどがある!』第1話

 そんな本作で、河合が演じているのが、市郎の娘・小川純子である。反抗期でスケバンの彼女は、親に向かって「金くれ」「クソジジイ」と罵倒し、隙があれば、向坂キヨシ(坂元愛登)にまたがって、ニャンニャンしようとする。近くに彼の母・サカエ(吉田羊)がいてもおかまいなしである。

『不適切にもほどがある!』第1話

 市郎との激しい親子喧嘩、セーラー服を身にまとい聖子ちゃんカットで街に繰り出す場面、ムッチ先輩(秋津睦実/磯村勇斗)とのシーンなど、第1話で大きなインパクトを残した彼女だったが、第2話では、イメージとは違った一面が見えて、ハッとさせられた。

『不適切にもほどがある!』第2話

 それは、サカエと市郎について話していた場面。彼女は、妻・ゆり(蛙亭・イワクラ)を亡くし、魂が抜けてしまった父について「今は私がグレて、気をそらしてやってる感じ」と、ふと笑みをこぼした。この純子の想いを聞いたとき、気持ちが昂って涙が溢れそうになった。彼女の表情と声色で市郎への愛を十二分に感じたからだ。そうして胸を熱くさせたかと思えば、市郎がタイムスリップしている、と説明してきたサカエに「おばさん宜保愛子?」と詰め寄る場面も。あのシーンは大いに笑ったし、サカエとのかけあいが最高だった。

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