『Destiny』石原さとみ&亀梨和也の美しい笑顔 運命からの“生き直し”が描かれた最終話
奏が恨みを晴らすためでなく、自身の検事としての仕事を全うするため真相を明るみにしたことで、結果、父・辻英介(佐々木蔵之介)の無念も晴らされ、彼の検事としての矜持は取り戻された。それは英介の嘘偽りのない姿勢と潔白を証明することになり、そして浩一郎にずっとまとわりつく後悔をそっと取り除き、生まれ変わらせた。着実に真実に近づく奏のはやる気持ちと、許しがたい思いを抑え込みながらそれでも職務を全うしようとする凛とした姿は、職業ドラマとの相性も良い石原さとみの真髄が光っていた。
手術後、奏の瞳に映る自分の姿を見て、真樹は自身が生きていることを確認した。いつだって、おかしな方へ、おかしな方へ転がっていく自分の人生や運命を諦めないでいてくれる人がいる。それはどんなに心強いことだろうか。
そもそも奏と真樹だけでなく知美(宮澤エマ)と祐希(矢本悠馬)それぞれを結びつけたのはカオリ(田中みな実)であることがわかり、奇跡に近い出会いにも感謝すべき運命がちりばめられている。運命は連鎖する。良い方にも悪い方にもどちらにも。そして運命は書き換えられるし、塗り替えられる。自らの強い意志さえあれば、逸脱だってできるし運命をも凌駕できる。真樹の手術を医師として執刀した貴志(安藤政信)の姿に、知美が司法試験を受けることを不意に決意したように。
12年前のように、大切な人の元に無邪気に無防備に駆け寄ることができたのだろう奏の姿が本当に美しかった。弾けるような笑顔と共に、そのままの自分で大切な人の元に飛び込もうとする強さがただただ眩しかった。
■配信情報
『Destiny』
TVer、TELASAにて配信中
出演:石原さとみ、亀梨和也、宮澤エマ、矢本悠馬、田中みな実、安藤政信、仲村トオル、佐々木蔵之介、高畑淳子、曽田陵介
脚本:吉田紀子
監督:新城毅彦、星野和成、中村圭良
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:浜田壮瑛(テレビ朝日)、森田美桜(AOI Pro.)、大古場栄一(AOI Pro.)
音楽:得田真裕
主題歌:椎名林檎「人間として」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
制作協力:AOI Pro.
制作著作:テレビ朝日
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