『366日』“智也”坂東龍汰のほろ苦い“夢の終わり” 不穏なラストに胸のざわめきが止まらない

『366日』智也のほろ苦い“夢の終わり”

 野球部の仲間たちと甲子園を目指していた青春時代の思い出。実家が経営するお好み焼き屋を継ぐために積み上げてきた知識と経験。明日香(広瀬アリス)と10年にも及ぶ“両片思い”の末にようやく結ばれた恋の記憶。それらを全て失った遥斗は、人生を強制的にリセットされたも同然だ。それでも頑張って生き直そうとしている遥斗の姿を見て、智也は引退を決意し、新たな人生を送り始める。

 引退前の最後の試合には、遥斗と明日香、莉子(長濱ねる)や和樹(綱啓永)も駆けつけた。みんなが見守る中、智也が華麗に逆転ホームランを決めてチームを勝利に導く……とはならないのがリアルだ。けれど、智也は守備で体を張ってボールをキャッチし、チームは勝利した。会場から出てきた智也を明日香たちは「お疲れさま」と迎え、その夢の終わりに寄り添う。遥斗の「楽しかった?」という問いかけに、涙で言葉が詰まりそうになりながらも「楽しかった」と答える智也。遥斗は智也のこれまでを覚えていない。だけど、その一言で十分だ。夢を追いかけた日々を振り返って「楽しかった」と言えるのは、それだけ頑張ってきた証拠だから。きっとこの先も折につけては輝いていた頃の自分を思い出して、胸が痛む時はある。だけど、智也は後悔を残さないほどに力を出し切った。

 そんな智也の姿がまた、明日香たちを勇気付ける。遥斗と看護師・宮辺(夏子)の会話をたまたま聞いてしまい、遥斗が自分に気を遣っていることを知った明日香。しばらくは落ち込んでいたが、どんな時も遥斗の一番の味方でいることを心に誓い、自身もまたクラリネット講師を目指し始める。一方、遥斗は退院後も実家には戻らず、東京で今の仕事を続けていくと決意。

 そんな第5話は、主題歌であるHY「366日」の歌詞が心に響いた。この曲は叶わない「恋」を歌っているが、「夢」にも置き換えることができる。人生はままならなくて、恋も夢も叶うとは限らない。だが、たとえ叶わなかったとしても、諦めざるを得なくなったとしても、別れは新たな出会いの始まりで、夢の終わりは新たな人生の始まりだ。終わる時も始まる時も、「頑張れ」や「お疲れ様」と言ってくれる味方がそばにいる明日香たちが羨ましく思えた。

 しかし、その矢先、莉子が何者かに後をつけられているカットが映し出される。あまりに不穏なラストに胸のざわめきが止められない。どうかこのまま、明日香たちの平穏な日々が続きますように。

■放送情報
『366日』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:広瀬アリス、眞栄田郷敦、坂東龍汰、長濱ねる、綱啓永、夏子、中田青渚、中沢元紀、清乃あさ姫、和久井映見、前田公輝、戸田菜穂、北村一輝
演出:平川雄一朗
脚本:清水友佳子
プロデュース:狩野雄太
主題歌:HY「366日」
制作協力:AOI Pro.
制作・著作:フジテレビ
©️フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/366days/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/366days_fujitv
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