石橋静河×稲垣吾郎×内田有紀の共演は必見 『燕は戻ってこない』が放つSFのようなリアル

『燕は戻ってこない』のSFのようなリアル

 そんなリキと対象的に描かれるのが、基と悠子の夫妻。基は元トップバレエダンサーで自分の遺伝子を残したいという欲望、不妊治療の末、子供を持つことを諦めた悠子は、代理出産という夫の選択に揺れ動いていく。自分の欲望のままに代理出産を進めていく基は少々空気の読めない、稲垣としては珍しく嫌なイメージの役でもあるが、バレエダンサー役としては稲垣の身体能力の高さが存分に生かされてもいる。草桶家には見事な跳躍を見せるバレエダンサーとしての写真が飾られており、第2話以降も稲垣の身体の柔らかさが堪能できるシーンが「ふんだんに出てきます」と内田有紀が明かしている。

稲垣吾郎、内田有紀からの「稲垣くん」呼びに喜び 石橋静河は2人を見て「ほっこり」

ドラマ 10『燕は戻ってこない』の出演者会見が4月12日にNHK放送センターにて開かれ、主演を務める石橋静河をはじめ、稲垣吾郎、…

 内田としては押し殺していた感情をいつ爆発させるのか、リキや基とはまた異なる一線を超える瞬間が見どころではあるが、稲垣との夫婦役というのも注目ポイントである。幼い頃からバラエティ番組で共演してきた稲垣と内田は、意外にも芝居の面では今回が初共演。会見中は内田が「稲垣くん」と呼ぶなど、夫婦役として仲睦まじい関係になっていることが伝わってくる雰囲気に、撮影が別のことが多い石橋が羨ましそうに見ていたのが印象的であった。第1話時点でも2人の芝居の相性は抜群だが、第2話以降もその掛け合いに期待が持てる。

 全10回で描かれる『燕は戻ってこない』にはほかにも、基の母で国際的バレリーナの千味子を演じる黒木瞳や女性用風俗で働くセラピスト・ダイキ役の森崎ウィン、リキが働いていた老人ホームの元上司・日高役の戸次重幸などが物語に華を添える。デリケートで複雑なテーマの作品であるが、劇中に出てくる「エッグドナー」「サロゲート・マザー」といった言葉が近い将来聞き慣れた言葉になっている、そんなリアリティを感じさせるドラマでもある。

■放送情報
ドラマ10『燕は戻ってこない』(全10回)
NHK総合、BSP4Kにて、4月30日(火)スタート
総合:毎週火曜22:00~22:45放送、毎週木曜24:35~25:20再放送
BSP4K:毎週火曜18:15~19:00放送
出演:石橋静河、稲垣吾郎、内田有紀、黒木瞳、森崎ウィン、伊藤万理華、朴璐美、富田靖子、戸次重幸ほか
原作:桐野夏生
脚本:長田育恵
音楽:Evan Call
制作統括:清水拓哉、磯智明
プロデューサー:板垣麻衣子、大越大士
演出:田中健二、山戸結希、北野隆
写真提供=NHK

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