『怪獣8号』カフカの解放戦力が0%から0.01%に “ダサカッコいい”新たな主人公像が誕生

『怪獣8号』“ダサカッコいい”主人公像

 何が行われるのか未知数だった二部で行われることになったのは“怪獣の討伐”。そこで怪獣筋肉繊維で構成された身体能力を大幅に強化する特殊なスーツである「防衛隊のスーツ」がそれぞれに支給される。ハルイチや伊春が水準以上の解放戦力を記録する中で、カフカが記録したのは0%。つまりはスーツの力を引き出すことができていないということになる。異例ではあるが、46%を記録しているキコルとは雲泥の差だ。

 最終審査で課されたのは広大な市街地型演習場に放たれた本獣と余獣36体を討伐すること。第3話では静かなシークエンスを淡々と進めてきたが、キコルと怪獣の戦闘シーンではアニオリ描写を交えながら、臨場感のあるカメラワークで丁寧に描いていたのが印象的だった。ここまでの数話を見てきた時にアニメ『怪獣8号』では怪獣との戦闘を重点的に描いていることがわかる。

 カフカは怪獣清掃専門業者で得た知識を活かしてハルイチのサポートに回ることを決めたが、その瞬間、余獣の不意打ちを受けて致命傷を負ってしまう。命の危険がある場合には管制室の命令でシールドが張られてしまうが、それは同時に失格を意味する。万事休すかと思われたカフカだったが、キコルが現れカフカを救出。しかし、カフカは足を骨折してしまいもう動くことはできない。保科からもリタイアを勧められるが、カフカは「今度は絶対諦めねぇ!」と戦い続ける覚悟を決める。原作では特に明示されていなかったが、アニメではカフカが立ち上がったタイミングで解放戦力が0%から0.01%に上昇するという演出が追加されていた。カフカにはまだ可能性が残されていることを暗示する素晴らしい描写だった。

 
 このままだとキコルが全ての怪獣を倒してくれそうな気もするが、それではカフカの夢は敗れてしまう。カフカにチャンスが残されているとするならば、それは「怪獣8号」に変身するこしかない。果たして逆境を乗り越えることができるのか。

■放送情報
『怪獣8号』
テレ東系:毎週土曜23:00~放送
BSテレ東:毎週土曜24:00~放送
AT-X:毎週日曜22:00~放送
アニマックス:毎週土曜21:00~放送
キャスト:福西勝也(日比野カフカ/怪獣8号役)、瀬戸麻沙美(亜白ミナ役)、加藤渉(市川レノ役)、ファイルーズあい(四ノ宮キコル役)、河西健吾(保科宗四郎役)、新祐樹(古橋伊春役)、河本啓佑(出雲ハルイチ役)、武内駿輔(神楽木葵役)、千本木彩花(小此木このみ役)
原作:松本直也(集英社「少年ジャンプ+」連載)
監督:宮繁之、神谷友美
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン・総作画監督:西尾鉄也
怪獣デザイン:前田真宏
美術監督:木村真二
色彩設計:広瀬いづみ
3D監督:松本勝
撮影監督:荒井栄児
編集:肥田文
音響監督:郷文裕貴
音楽:坂東祐大
オープニングテーマ:YUNGBLUD「Abyss」
エンディングテーマ:OneRepublic「Nobody」
怪獣デザイン&ワークス:スタジオカラー
アニメーション制作:Production I.G
©防衛隊第3部隊 ©松本直也/集英社
公式サイト:https://kaiju-no8.net
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/KaijuNo8_O

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