『Believe』木村拓哉が絶望から這い上がる姿は希望になる 想像を超えるシーン連続の幕開け

『Believe』希望を追う物語が幕開け

 第1話の脚本構成も見事だが、やはり特筆すべきは放送まで多くが語られてこなかった狩山の刑務所でのシーンの数々だろう。木村拓哉が受刑者役というのも新鮮だが、殺人未遂犯・野口ヒロト(濱田龍臣)、特殊詐欺犯・灰谷耕太(一ノ瀬ワタル)、強盗犯・赤塚力(持田将史)というアウトローな同房者3人、さらに刑務官たちとのスリリングなやり取りは先述したゼネコンで働いていた頃とは全く異なる人生を歩んでいる。

 「みなさんに怪我をさせたくないので」とほかの受刑者に不敵な笑みを見せ、同房者たちの乱暴な歓迎にも応戦したり、大量の刑務官相手に無茶な逃亡を図り主任刑務官・宇崎誠吾(尾上寛之)に矯正護身術で沈められたりと、ここまでアクションシーンの多いドラマだと誰が予想していただろうか。

 ただ、本作の脚本・監督には、木村が主演を務めた『BG~身辺警護人~』シリーズ(2018年、2020年)を手掛けたチームが再集結していることが象徴するように、『Believe』は狩山が刑務所というある種の絶望からもう一度光の射す場所へと手を伸ばす物語でもある。どんな時だって諦めることのない、希望を追いかける木村拓哉像だ。弁護士の秋澤良人(斎藤工)や妻の玲子(天海祐希)に刑務所から手紙を出す狩山。「もう嘘はつかない」と妻への手紙に綴った狩山は真っ直ぐに前を見据え歩き出していた。

■放送情報
『Believe-君にかける橋-』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:木村拓哉、竹内涼真、山本舞香、一ノ瀬颯、北大路欣也、上川隆也、斎藤工、小日向文世、天海祐希
脚本:井上由美子
音楽:林ゆうき
エグゼクティブプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:都築歩(テレビ朝日)、髙木萌実(テレビ朝日)、松野千鶴子(アズバーズ)
監督:常廣丈太(テレビ朝日)
樹下 直美(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる