『虎に翼』ファンにもオススメ! “女性弁護士”が活躍する韓国リーガルドラマ3選

“女性弁護士”が活躍する韓国ドラマ3選

『なぜオ・スジェなのか』

『なぜオ・スジェなのか』(SBS公式サイトより)

 弁護士として冷静沈着に仕事をこなす女性の姿をサスペンス要素の詰まった緊張感あるストーリーと共に描いた『なぜオ・スジェなのか』には、また違った弁護士ドラマとしての魅力がある。

 主人公のオ・スジェ(ソ・ヒョンジン)は、所属しているTKローファームの代表弁護士にまで上り詰めようとしていた。その矢先、スジェの依頼人に対して性被害を訴えていた女性がビルから飛び降りて死亡。彼女に厳しい言葉をかけていたスジェは、ロースクールに左遷されてしまう。納得のいかないまま、学生たちと共に実際の裁判を解決していくことになるが、次々と災難が降りかかる。

 強い決断力とハッキリした物言いで、勝つことにのみ集中してきたスジェは、若手の頃に女性であるがゆえに悔しい思いをしてきた。だからこそ実力を磨き、今ではスジェに嫌味ばかり言う男性陣を一刀両断できる、その姿はとても勇ましく惚れ惚れとしてしまう。

『なぜオ・スジェなのか』(SBS公式サイトより)

 一方で、権力に負けて敗れた過去、愛した人からの裏切りなど、彼女が抱えてきた数えきれないほどの傷に関連するように、ローファーム会長が犯してきた罪が明らかになる場面は辛さも伴う。しかし同時に、これまで権力を不当に利用し社会を意のままに動かしてきた会長や、彼と手を組んだ企業や議員たちに制裁が加えられるシーンには復讐系ドラマ特有の爽快感がある。

 また、ロースクールの学生たちや、スジェを支えているミリム弁護士(イ・ジュウ)がスジェの裏で事件を調べ、協力していくうちに生まれる絆には心温まる。法曹界や政界の闇を明らかにするだけでなく、仲間たちとの強固な団結力やスジェとチャン(ファン・イニョプ)の淡い恋愛も楽しむことができる作品だ。

『ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-』

 2020年に放送された『ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-』は、日本でも篠原涼子と山崎育三郎によって昨年リメイクされた人気の弁護士ドラマだ。

ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-』 予告編 - Netflix

 お金の為なら手段を厭わないグムジャ(キム・ヘス)が、ライバルである大手法律事務所「ソン&キム」に所属している弁護士のヒジェ(チュ・ジフン)と偶然を装って恋仲になり、情報を持ち出すという展開から始まる。そしてグムジャがソン&キムに引き入れられることとなり、お互いのやり方に反発しながらもパートナーとして様々な案件に着手していく。

 「ソン&キム」を大きく揺るがす発端となるグムジャは、雑草のような強さを持ち、まるでハイエナのような貪欲さを見せる。一般的な正義感の強い弁護士のイメージとは少し異なり、お金のためなら手段を選ばすに勝ちにいくことを目的にしているのだ。そんな彼女は、恵まれた環境で育ったヒジェに対して劣等感を露わにする一面も。“自分を守るため”に身に着けた法律の知識で、ヒジェや企業のトップまでも揺るがす存在となり、決して屈することなく立ち向かっていく彼女は、ヨンウやスジェとはまた違った破天荒さを持ち合わせている。

 また、先に紹介した2作品のように『ハイエナ』でも徐々にチームが出来上がっていき、彼らがグムジャの泥臭い捜査方法を受け入れ、共に真相を解明していくシーンには清々しさがある。企業と議員、そして法律事務所の代表といった、『なぜオ・スジェなのか』よりもさらに複雑な関係と癒着が絡み合うストーリー構成も魅力であると言えるだろう。

 韓国では、歴史的にも現在においても、政治的な事件や社会的な圧力に関するニュースが頻繁に報じられる。そのような背景があるからこそ、紹介した3作品で描かれているような法曹界にはびこる悪や、自分の盾にもなる法律に焦点を当てたドラマが人気を博しているのではないだろうか。

 医療ドラマや刑事ドラマと並ぶ人気があり、主人公と一緒に事件を解決している気分にもなれる弁護士ドラマ。日本と韓国ではもちろん法律は違うが、それでも共通した面白さがある。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる