『虎に翼』土居志央梨が表情に忍ばせる繊細な演技 寅子の“同志”よねから目が離せない

『虎に翼』土居志央梨の表情に滲む繊細な一面

『おちょやん』で杉咲花と奮闘 土居志央梨、仁村紗和、古谷ちさら“お茶子”女優に注目

現在放送中の連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)。9歳のときに、道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出されたヒロイン・竹井千代(毎…

 土居が朝ドラに出演するのは今回が二度目。2020年度後期放送のNHK連続テレビ小説『おちょやん』では、ヒロインの千代(杉咲花)が奉公する芝居茶屋「岡安」の先輩お茶子・富士子を演じ、厳しさの中にある優しさを滲ませた。クラシックバレエで培った身体表現を武器に舞台で活躍する一方、NHK大河ドラマ『青天を衝け』や『初恋の悪魔』(日本テレビ系)、『姪のメイ』(テレビ東京系)といった話題作への出演が相次ぐ土居。表面的な態度の裏に隠された、もしかしたら本人でさえも気づいていない繊細な感情を拾い上げる演技が秀逸で、よねが怒っているときはどこか泣いているようにも見える。

 よねが現状、置かれている“地獄”はどのような場所なのか。第3週に入り、女給が男性客を接待するカフェー、今でいうキャバクラでボーイとして働くよねの姿が映し出されるなど、少しずつその現状が見え始めている。おそらく学費や生活費を稼ぐために働いているのだろう。そんな彼女からしてみれば、勉学だけに注力できる環境に身を置く寅子たちは甘いと感じられるのかもしれない。だが、寅子の言う通り、人の本気など目に見えるものではなく、少なからず彼女たちにも学ぶ理由がある。抜け出したい地獄がある。そのことをよねは少しずつ知っていくのだろう。「知らない誰かのために涙して、憤慨するあなたはとっても素敵」と寅子に褒められ、戸惑いのあまりに逃げ出すかわいらしい一面も持ち合わせるよね。寅子に肯定され、よねの頑なな心がほぐれていく様にも注目していきたい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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