『アンチヒーロー』が突きつける世の中に蔓延る毒 長谷川博己抜擢の意図を飯田Pが明かす

『アンチヒーロー』プロデューサーが語る

 コンプライアンス遵守が叫ばれる今、挑戦的ともいえる本作。飯田プロデューサーは「脚本家には『フルスイングで』と伝えています。“最後はいい人になるんだよね”“結局ヒーローなんだよね”というところで物語をストップさせるのはやめようと。『行き切ったものを作りたい』『ドラマを面白くしたい』といった思いでTBSの審査部や考査部とも打ち合わせをして、意見をもらいながら作っています」と明かす。

「僕自身は『ひよったかな』と思っていましたが、メイキングのインタビューなどで俳優さんがことごとく『攻めてる』とおっしゃっていて、『ヤバいかな?』とちょっと心配にはなりました(笑)。でも、今の時代に伝えるべきことを伝えるためには、やはり世の中に蔓延している毒の部分をしっかりと描かなければいけないのではないかと。我々のやりたいことがきちんと伝わらず、それが万倍になって跳ね返ってきて、制作陣やキャストが傷つくような事態は絶対に避けたい。中途半端さが命取りになるはずなので、しっかりと描いていこうと思います」

『アンチヒーロー』

 さらに「僕は“謝ったら許してもらえる”“悪い印象が付いたとしても、法律上釈放されたら許してもらえる”という世の中ではないと思っているんです」と続け、「たとえば会社でパワハラをした社員がいたら、その人はずっとそう見られてしまう。子どもには『謝りなさい』と言うけれど、そんな簡単なことではないじゃないですか。『見てる人は見てくれている』と言うけれど、見ていてくれた人がまず潰される世の中だと思うんですよね。すごく矛盾した空気感があって、だからこそ主人公は“殺人罪”というレッテルを貼らせないために動いている。全話を通じて、そこに存在するメッセージを感じてもらいたいという思いもあって、あえてトップシーンは強いセリフから入っています。きっと全話観ていただければ、言いたいことはこれだったんだな、とわかってもらえるかなと思います」とした。

 最後は「とにかく第2話まで観てください」とメッセージ。「僕らはいかにドキドキわくわくハラハラしてもらえる主人公にできるか、ということを全身全霊でやっているので、その長谷川さんを見に来ていただけたら。二次的要素で、“何か感じることがあれば嬉しいな”程度なので、あまり難しく考えず、まずは長谷川さん演じる主人公を見に来てほしいです」と力を込めた。

■放送情報
日曜劇場『アンチヒーロー』
TBS系にて、4月14日(日)スタート 毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:長谷川博己、北村匠海、堀田真由、大島優子、木村佳乃、野村萬斎
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵
演出:田中健太、宮崎陽平、嶋田広野
脚本:山本奈奈、李正美、宮本勇人、福田哲平
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/antihero_tbs/
公式X(旧Twitter):@antihero_tbs
公式Instagram:@antihero_tbs
公式TikTok:@antihero_tbs

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