『ACMA:GAME アクマゲーム』は“欲望”との向き合い方を問う 間宮祥太朗が冷静沈着な男に

『アクマゲーム』は欲望との向き合い方を問う

 しかし、その悪魔の力がフェイクだと見抜く照朝は冷静沈着で洞察力に優れ、今まで海外でどれだけの局面を潜り抜けて来たのだろうと、こちらの想像を掻き立てる。火災報知器が作動したのにスプリンクラーが反応しなかったことや、パソコンがコンセントに繋がっているのにもかかわらずバッテリーを消費していることから、このゲーム会場である部屋自体に水道や電気が通っておらず、部屋丸ごとどこか氷点下エリアに移動されたのだと気づく。会場ごと自分に有利なようにいつの間にか移動させてしまうという、手段を選ばぬ丸子もかなりクレイジーだ。

 第1話から本作は“欲望”との向き合い方を問う。生前、清司は「満たされないのが欲望で、それを満たそうとするから争いが起こる」と照朝に話していたが、まさに欲望とは際限のないもので、だからこそ「アクマゲーム」が絶え間なく開催され、99本の「悪魔の鍵」は今も世界中に散り散りになって存在しているのだろう。

 最終的に照朝は今は亡き父親の子を想う親心と、その思い出を捨てられずずっと大切にしてきた自分自身に助けられた形になったが、実際には特別な力を秘めた鍵なんかよりも、この極限状態でも“自分は一人じゃない”と思わせてくれる特別な誰かとの繋がりの方が生きる希望になり得るのかもしれない。しかし、なぜそんな欲望と適切な距離感で付き合えていた清司がこの鍵を持つことになったのか不思議だ。

 さて、今回の丸子しかり、全ては裏で糸を引いている正体不明の崩心祷(小澤征悦)という男の仕業のようで、彼はこれからも何かにくすぶり、現状に満足していない者たちに悪魔の鍵を授け、そして照朝の元に刺客として送り込むようだ。照朝の前にどんな欲望に取り憑かれた対戦者が現れるのか、照朝の旅の続きを見守りたい。

■放送情報
日曜ドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:間宮祥太朗、田中樹、古川琴音、竜星涼、嵐莉菜、増田昇太(s**t kingz)、福山翔大、坂口涼太郎、桐山漣、橋本じゅん、小澤征悦、吉川晃司ほか
原作:『ACMA:GAME』原作:メーブ、作画:恵広史(講談社『週刊少年マガジン』)
脚本:いずみ吉紘、谷口純一郎
演出:佐藤東弥、狩山俊輔、松田健斗ほか
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:藤村直人、岩崎広樹、後藤庸介、大庭佑理(AX-ON)、本多繁勝(AX-ON)
音楽:菅野祐悟
VFX:デジタル・フロンティア
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/acmagame/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/ntv_acmagame
公式Instagram:https://www.instagram.com/ntv_acmagame

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