『虎に翼』石田ゆり子「地獄をみる覚悟はあるの?」 はるは寅子にとって最も頼れる存在に

『虎に翼』“地獄”への切符を手にした寅子

 はるの寅子への最後の確認。「今、お見合いした方がいい。その方が間違いなく幸せになれる。それでも本気で、地獄を見る覚悟はあるの?」という問いかけに、寅子は「ある」とまっすぐはるの目を見て返答する。「そう」と穏やかに肩を上げて笑みを見せるはるに、寅子も思わずつられて笑う。母娘が打ち解けたと同時に、寅子にとって最も頼れる存在がはるだということをこの第1週で示してもいる。

 六法全書を手にし、寅子が法律の道を目指す決意を固める橋の上でのラストシーン。寅子のバックには印象的に様々な世代の女性たちが映し出されている。奉公少女に、大きな荷物を背負った老女。第1話のアバンでは、戦後の法改正によって「日本国憲法第14条」という女性の権利を手にした15年後の寅子が描かれているが、一緒に少女や老女の未来も登場している。つまり『虎に翼』は寅子の物語であり、はるや花江、少女、老女たち一人ひとりのドラマでもある。それは寅子が女子部で出会う同級生たちの登場によって、より色濃くなっていくことだろう。

 余談ではあるが、『虎に翼』の放送とセットでお勧めしたいのが、伊藤沙莉と松岡茉優によるPodcast番組『お互いさまっす』。というのも、ちょこちょこと『虎に翼』のエピソードがインサートされるからだ。3月24日にライブ配信された「春の生配信祭り」では、番組グッズの話から「靴下を、トラつばグッズとして作って、みんなで今履いてるの」という伊藤の発言もあった。なかでも紹介したいのが、第4回で朝ドラの話から、「そんなことより出てよ」(伊藤沙莉)、「あら、出るわよ。だけど本当に助けたいの」(松岡茉優)、「来てほしい」(伊藤沙莉)というやり取りがあったこと。NHKドラマ・ガイド『連続テレビ小説 虎に翼 Part1』では、友人として伊藤に愛のあるコメントを送っている松岡がきっと主演を張る伊藤にそっと寄り添う存在にある。そして、どこかでひょっこり友情出演として姿を見せてくれたらと思う。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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