水上恒司に漂う往年の銀幕スターの貫禄 『黄金の刻』でも“まなざし”の芝居が光る

水上恒司に漂う“往年の銀幕スター”の貫禄

 『あの花』では、大切な存在となった百合への思いを胸に特攻に向かう姿がとても切なかった。彰が乗る戦闘機が飛び立った後、彼の表情は明かされない。しかし映し出されたその背中には、大切な人を守るために戦地へと飛び立つ彼の凛々しさだけでなく、大切な人との別れに対する確かな悲しみも感じられた。

 もちろん、水上が演じるのはかつての時代を生きた人物ばかりではない。4月から始まる山下智久主演のドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ系)では、山下演じる主人公・晴原と対立する消防班班員・園部優吾を演じる。予告編を見る限り、これまた強い志を持った人物であることがうかがえる。園部は主人公と度々対立する立場にいるようだが、自然災害から人々の命を守るため、さまざまな困難を乗り越えながら成長していくはずだ。視聴者の心に残る演技を見せてくれるに違いない。

ドラマ『黄金の刻』予告編

 『黄金の刻』の予告編では、「時計って、すごいな」と感嘆の声をあげる姿が印象的だ。日本初の腕時計、世界初のクオーツウォッチを発売したことで知られる「セイコーグループ」の創業者・服部金太郎の人生を重厚に描き出す今作。公式サイトに掲載されたインタビューで、水上は「青年期の金太郎さんを演じさせていただくうえで、いかに金太郎さんが《時》に魅了されていったのかという過程が大事だと思っていました」と話している(※)。主人公が時計に魅せられる重要な青年期を水上はどう演じているのか。4月から始まる『ブルーモーメント』も含め、水上がこの先見せる演技にますます期待が高まる。

参照
※ https://post.tv-asahi.co.jp/post-246238/

■放送情報
テレビ朝日ドラマプレミアム『黄金の刻』
テレビ朝日系にて、3月30日(土)21:00〜放送
出演:西島秀俊、水上恒司、松嶋菜々子、山本耕史、濱田岳、吉川愛、髙嶋政伸、高島礼子、船越英一郎
原作:楡周平『黄金の刻 小説 服部金太郎』(集英社刊)
脚本:髙橋泉
音楽:江﨑文武
演出:豊島圭介
ゼネラルプロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)
プロデューサー:藤崎絵三(テレビ朝日)、山形亮介(KADOKAWA)、長谷川晴彦(KADOKAWA)
協力プロデューサー:竹園 元(テレビ朝日)
制作協力:KADOKAWA
制作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる