宮﨑駿、『君たちはどう生きるか』で2度目のオスカー 作家性と功績が評価される結果に

『君たちはどう生きるか』オスカー受賞を分析

 長編アニメーション賞でのライバルは『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』、『マイ・エレメント』、『ニモーナ』、『ロボット・ドリームズ』だったが、特に『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は1000人ものアニメーターが参加した超大作であり、劇中さまざまなスパイダーマンたちをあらゆるスタイルで描いたことで受賞が有力視されていた。一方、『君たちはどう生きるか』は北米公開直後、『千と千尋や神隠し』を彷彿とさせる視覚的な楽しみや特異性、宮﨑監督らしい作風へ賞賛が向かった。

 例えば、BBCのマット・シュライ記者が「子供が利己主義を克服し、他者のために生きることを学ぶ成長の物語」と評したように、本作を他のジブリ作品の主人公の成長譚として楽しむ声と、宮﨑監督自身のこれまでのアチーブメントを賞賛する声が上がっていた。しかし、それと同時に「難しい」という声もあったため、最後まで予測がつかなかった受賞結果だった。

 2023年末、全米公開された邦画作品として共に興収において快進撃を遂げた『ゴジラ-1.0』と共に受賞に至り、アカデミー賞においても日本作品の存在感が感じられた。

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