ヴィム・ヴェンダースが芸術家アンゼルム・キーファーの全てを描く 『アンゼルム』6月公開
第36回東京国際映画祭上映作品『Anselm(原題)』が、『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』の邦題で6月21日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国順次公開されることが決定。あわせて、日本版ポスタービジュアルと場面写真が公開された。
本作は、戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯とその現在を追ったドキュメンタリー。、『PERFECTDAYS』で第76回カンヌ国際映画祭主演俳優賞(役所広司)を受賞し、第96回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされたヴィム・ヴェンダースが監督を務めたの。
ヴェンダース監督は、『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ミリオンダラー・ホテル』などの劇映画だけでなく、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、『Pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』、『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』などドキュメンタリーも手掛け、世界各国から高い評価を受けている。
そんなヴェンダース監督が「先入観を捨てて、この衝撃的なビジュアルをただ楽しんでもらいたい」と語る本作は、制作期間には2年の歳月を費やし、3D&6Kで撮影。従来の3D映画のような飛び出すような仕掛けではなく、絵画や建築を、立体的で目の前に存在するかのような奥行きのある映像を再現し、ドキュメンタリー作品において新しい可能性を追求した。また、なお本作は『PERFECT DAYS』が出品された第76回カンヌ国際映画祭で、ヴェンダース監督作品として2作同時にプレミア上映されている。
アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造する、戦後ドイツを代表する芸術家。1991年、高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門を受賞。ヴェンダース監督と同じ、1945年生まれであり、初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となった。1971年からは、フランスに拠点を移し、わらや生地を用いて、歴史、哲学、詩、聖書の世界を創作している。彼の作品に一貫しているのは戦後ドイツ、そして死に向き合ってきたことであり、“傷ついたもの”への鎮魂を捧げ続けている。
アンゼルム本人のほか、自身の青年期をアンゼルムの息子であるダニエル・キーファーが演じ、幼少期をヴェンダース監督の息子・アントン・ヴェンダースが務めている。
あわせて、日本版ポスタービジュアルと場面写真2点も公開。日本版ポスタービジュアルは、作品の1つである巨大な塔の中に佇むアンゼルム・キーファーの後ろ姿を捉えたもの。中央には「圧倒的な没入感」のキャッチコピーも。場面写真では、アンゼルムの手掛けた作品の一部が切り取られている。
また、2025年3月下旬から6月下旬まで、世界遺産・二条城でアンゼルム・キーファーの大規模個展が開催されることも決定している。
■公開情報
『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』
6月21日(金)より TOHOシネマズ 日比谷ほか全国順次公開
監督:ヴィム・ヴェンダース
エグゼクティブプロデューサー:ジェレミー・トーマス
撮影:フランツ・ルスティグ
ステレオグラファー:セバスチャンクレイマー
編集:マクシーン・ゲディケ
作曲:レオナルド・キュスナー
出演:アンゼルム・キーファー、ダニエル・キーファー、アントン・ヴェンダース
配給:アンプラグド
2023年/ドイツ/93分/1.50:1/ドイツ語・英語/原題:Anselm/カラー/B&W/5.1ch/3D&2D/字幕:吉川美奈子
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公式サイト:unpfilm.com/anselm
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/anselmjp