役所広司、カンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞に喜び 「これからも努力を重ねていきたい」 

役所広司、カンヌ映画祭男優賞受賞に喜び

 第76回カンヌ映画祭の授賞式が日本時間5月28日未明にフランスで行われた。俳優の役所広司が主演作『PERFECT DAYS(原題)』で最優秀男優賞を受賞。日本人としては『誰も知らない』(2004年)の柳楽優弥以来、19年ぶり2人目の受賞となる。

 『PERFECT DAYS(原題)』は、ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、日本の公共トイレのなかに「small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)」を見出したことから生まれた作品だ。役所演じる平山というトイレ清掃員の、日々の小さな揺らぎを丁寧に紡ぐ。日本公開は未定であることから、早くも多くの映画ファンが公開に期待を寄せている。

(左から)ヴィム・ヴェンダース、役所広司、中野有紗、アオイヤマダ、田中泯 ©Kazuko Wakayama

 役所は最優秀主演男優賞の受賞を受けて「日々を丁寧に静かに重ねるように生きる。この平山という男を演じるのは、大きな挑戦でした。ヴィム・ヴェンダースという偉大な監督には、フィクションの存在であるこの男にとても大きなリスペクトがありました。それが私を導き、平山という男をこの世界に生み出した気がします。このような賞をいただいてとても光栄です。日本の、世界の、映画が少しでも、もっと素晴らしいものになるようにこれからも努力を重ねていきたいと思います。日本でもみなさんに、『平山』という男をご紹介できる日が楽しみです」とコメント。

 さらにヴィム・ヴェンダースは役所の芝居について「これ以上の言葉を私は見つけることができない。“役所広司は、監督をする者にとって最高の俳優である”彼こそが俳優である。それも最高の俳優だ。彼こそが平山であり、『PERFECT DAYS』というこの映画の心臓であり、魂なのだ」と評した。ヴェンダース監督は「私は彼と一緒に映画をつくれたことをとても幸せに思う。この賞は、私と、そしてカンヌに集まったチームの全員が待ち望み、そして夢にみたものである」ともコメントしており、強い信頼関係の中で作品が制作されたことが伺える。

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