『君が心をくれたから』山田裕貴の雰囲気を変える“陰”の芝居 太陽の変化と成長

山田裕貴の雰囲気を変える“陰”の芝居

 念願叶って雨と付き合い出してからも、太陽はちょっと自信なさげだった。だが、「雨と一緒に生きていく」と決意したらしい第8話では様子が違った。もうすぐ視覚を失う雨のために、一度は諦めた「自分の花火をあげる」という夢をまた追いかけ始めた。さらに陽平(遠藤憲一)と春陽(出口夏希)に、雨にプロポーズするつもりであることも伝えた。この時の太陽と、かつての彼を山田は意識して演じ分けているように感じた。

 おどおどせず、2人をしっかりと見つめ、自分の気持ちをはっきりと宣言する太陽。その姿にいつもの“陰”は感じられなかった。案内人との約束で、その原因については言えないが、雨が五感を失うことは周りの人に伝えることができる。太陽は雨と違って、自分たちに関わる人たちに積極的にそのことを伝えていった。雨と長く一緒にいることを考えると、ずっと隠しておくことはできないし、かえって不都合が生じると考えたのではないだろうか。これまで、なかなか一歩先行く行動ができなかった太陽。しかし、“過酷な奇跡”を背負う雨のことを知り、いつの間にか未来のために動くことができるようになっている。

 一般的にはこのような太陽の変化を成長というのだろう。でも雨は、太陽の雰囲気が変わったことに違和感を感じ、無理をさせていると思っている。いずれ24時間介護が必要になる雨のために、一緒にいたい太陽と、未来ある太陽のために、時が来たらいなくなりたい雨。どこまでも互いに優しいだけなのに、どうしてこんなにもうまく嚙み合わないのだろう。どうにか2人が笑顔でいられる選択をしてほしい。そう願うばかりである。

■放送情報
『君が心をくれたから』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:永野芽郁、山田裕貴、斎藤工、松本若菜、白洲迅、出口夏希、真飛聖、遠藤憲一、余貴美子
脚本:宇山佳佑
主題歌:宇多田ヒカル
演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kimikoko/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/kimikoko_fujitv
公式Instagram:https://www.instagram.com/kimikoko_fujitv

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