『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』は映画館で観るしかない! 圧倒的な“音”の演出

『ゴミ捨て場の決戦』試合に没入させる“音”

 他にも、生で観戦する試合のような臨場感を味わえる理由が“音”だ。スパイカーがボールを打ちこむ激しい音や、日向が高く飛ぶときの思いっきり床を蹴り上げる音。試合中に鳴り響く迫力満点の音をダイレクトに感じるためには、劇場の音響がこれ以上ないほど最適だ。スポーツアニメと映画館の相性の良さは折り紙つきと言えるだろう。劇場で体感する音のうまみを十分にいかしつつ、ボールを落としたら終わりというバレーボールが持つ“繋ぐ”重要性を今作からひしひしと感じる。今作はサウンドとストーリーの両方で、日向たちの名勝負を存分に味わえるのだ。

 因縁のライバル関係である烏野と音駒は、お互いに高め合い成長してきたこれまでの物語がある。私たち視聴者はその過程を追ってきたからこそ、メインキャラクターである日向や影山、研磨や黒尾だけでなく、両校のチームメンバーにも深く感情移入できるのだ。『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』は、そんな2校の集大成と呼べる試合を今そこで行われているかのような臨場感で楽しめる作品だ。

 筆者は今作を観終わった後、スッキリとした清々しい気分で劇場をあとにした。アニメ『ハイキュー!!』の完結が近づいたというさびしさがあったものの、烏野と音駒の最高の試合に拍手を送りたくなるくらい熱中した。そして、“ゴミ捨て場の決戦”で見せた研磨のある大きな変化に心を動かされたのだ。ぜひカラスとネコの因縁の対決の結末を劇場で見届けてほしい。

■公開情報
『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』
全国公開中
監督・脚本:満仲勧
原作:『ハイキュー‼』古舘春一(集英社ジャンプ コミックス刊)
キャスト:村瀬歩、石川界人、日野聡、入野自由、林勇、細谷佳正、岡本信彦、内山昂輝、斉藤壮馬、増田俊樹、名塚佳織、諸星すみれ、神谷浩史、江川央生、梶裕貴、中村悠一、立花慎之介、石井マークほか
製作委員会:東宝、集英社、MBS、電通、Production I.G、SME、ムービック
制作スタジオ:Production I.G
配給:東宝
©「ハイキュー‼」製作委員会 ©古舘春一/集英社
公式サイト:https://haikyu.jp/
公式X(旧Twitter):@animehaikyu_com

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