『院内警察』桐谷健太と馬場ふみかが打ったとある小芝居 今後の鍵を握るのは工藤美桜?
『院内警察』(フジテレビ系)第3話は、血塗れで床に突っ伏す武良井治(桐谷健太)と、その隣で血に染まった医療器具を震えながら持つ人物という物騒なシーンから始まった。
これは実はストーカー被害に悩む看護師・白石日向(工藤美桜)のストーカー自体をおびき寄せるために、武良井と彼女の姉で麻酔科医の白石葵(馬場ふみか)が小芝居を打ったのだった。面倒見が良く、それでいて断ることができない日向は患者からの人気が高いものの、その中にはセクハラまがいの者も紛れ込んおり、一部の心ない患者の対応に手を焼いている。
若き天才外科医・榊原俊介(瀬戸康史)が川本響子(長濱ねる)に問いかける「良い看護師と仕事ができる看護師は違う。あなたならどっちに命を預けたい?」という質問はごもっともだ。“仕事ができる看護師”とはまさに日向の先輩看護師・神谷玲子(西山繭子)のような人を指すのだろう。何事も受け入れてしまう日向のことを心配し、患者や医師の前ではつんけんした態度をとり日向に無闇に近づけないようにする。ある意味角を立てず自分だけが嫌われ役を買って出ることで日向を守ろうとする神谷の動きは素晴らしい。
「なんでも受け入れるからこうなるの。患者さんは家族じゃない。だから自分の身は自分で守りなさい」「患者さんのため、病院のために自分を犠牲にして潰れた人を何人も見てきた」という神谷は、“線引き”や“割り切り”の必要性を説く。それは、匿名の手紙が毎日届き、隠し撮り写真まで送りつけられ、盗聴器まで仕掛け彼女に付き纏うストーカーで清掃員の男のような存在から自分を守るためなのはもちろんのこと。皆が健康になり退院していくだけでなく様々な辛いお別れを経験しなければならないからこそ、“線引き”をして自分の心を自分で守り、保つしかないということでもあるのだろう。