小雪の経験が『ブギウギ』にもたらす説得力 一本筋の通ったトミの“家族の在り方”とは

小雪の経験が『ブギウギ』にもたらす説得力

 そんなトミを演じるのが小雪だ。もともとモデルとして芸能活動をはじめた小雪は、その後『恋はあせらず』(フジテレビ系)で女優デビューを果たし、『きみはペット』(TBS系)でのスミレ役や『エンジン』(フジテレビ系)の水越朋美役など、数々の名ドラマで活躍。女優としても確固たる知名度を獲得した。

 『ブギウギ』のトミ役では、その佇まいから溢れる威厳が魅力である。演技の素晴らしさもさることながら、モデルをしていた経験や、持ち前の高身長が役を演じる上で活きているのだろう。和服姿にすらっとした佇まい、物怖じすることのない口ぶりは、トミの築いてきた地位や圧倒的な強さをことさら強調する。それでいてただ恐怖感を撒き散らすだけでなく、凛とした信念や一本筋の通った愛情が感じられるところが素晴らしい。愛助とスズ子の結婚のことも、村山興業を思う気持ちも、実は共感できないほどメチャクチャなことを言っているわけではない。だからこそ、トミの“一理ある言い分”は『ブギウギ』を観るにあたり、深く考えさせられるパートにもなっているのだ。

 問題が片付かないままに、次から次へと色々な事が起きた第17週。トミが愛助とスズ子の結婚を受け入れられないまま、善一(草彅剛)が持ってきた「ジャズカルメン」の話は進み、お腹の赤ちゃんも大きくなる。果たしてスズ子と愛助はどうなってしまうのか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー) 
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie

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