齋藤飛鳥、アイとの共通点はプロ意識の高さ 『【推しの子】』実写化はこれ以上ない適任

齋藤飛鳥、アイとの共通点はプロ意識の高さ

 2023年のアニメシーンを席巻した『【推しの子】』の実写化プロジェクトが発表され、アイ役に齋藤飛鳥が決定した。

 同作は、産婦人科医の主人公・ゴローが、“推し”であるアイドル・アイのストーカーの手により命を落とし、アイの子ども・アクアマリン(以下、アクア)として転生する物語。だが、単なる転生モノではなく、アクアとして転生したゴローは、ストーカーに殺されたアイの仇を討つため、芸能界に身を置いて復讐を誓うというサスペンス的なエッセンスもある。

 アイドル、ひいては芸能界の闇を徹底的に描いた物語は、原作の時点ですでに大きな注目を集めていたが、アニメが放送されると、第1話の1時間20分強というスケールと、終盤にかけての衝撃的な結末が視聴者の心をグッと掴んだ。オープニング主題歌のYOASOBI「アイドル」は米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”でも首位を記録するなど、国内外で大ヒットとなり、一大ブームを生み出した。2023年11月26日に開催された「苺プロダクション☆ファン感謝祭 2023」では、アニメ第2期が2024年に放送されることも発表され、今後もブームが鎮静化することはなさそうだ。

 『【推しの子】』のメディアミックス展開については放送後から話題となっていたが、ここにきて実写化が発表された。アイ役の齋藤をはじめ、アクア役には『アオハライド』(WOWOW)や『泥濘の食卓』(テレビ朝日系)での演技が高く評価された櫻井海音、ルビー役には元=LOVEで、『花束とオオカミちゃんには騙されない』(ABEMA)や『明日、私は誰かのカノジョ』(MBS/TBS)など多くの作品で活躍している若手俳優の齊藤なぎさという豪華なキャスト陣が名を連ねた。アイドル役にはしっかりとアイドル経験者を配置している点が興味深いキャスティングだ。

 齋藤が演じるアイは、アイドルグループ「B小町」のセンターという役どころで、常に明るくポジティブな性格だが、アイドルという職業に対しては少し冷めた目線も持ち合わせており、誰よりもアイドルへのプロ意識が非常に高い。アニメのキービジュアルにも使われているように、作中の鍵を握る人物ではあるが、第1話以降は回想シーンに登場するのみで出番がかなり少なく、序盤でどれだけの印象を残すことができるのかが非常に重要な役である。

 齋藤は、映画『あの頃、君を追いかけた』をはじめ、『映像研には手を出すな!』、『サイド バイ サイド 隣にいる人』など多数の作品に出演し、実績を積み上げてきた。3月8日には『映画 マイホームヒーロー』の公開も控えている。これまでの作品の傾向でいうと、自然体で演じられる役が多く、齋藤の素直で繊細な表情は高い評価を受けてきた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる