『ブギウギ』趣里が告げた「福来スズ子とその楽団」の解散 歌える喜びを見出した4年間
「おおきに」という思いを持っているのはスズ子だけではない。一井、二村、三谷、四条もそれぞれスズ子の誘いがなければ、もしかしたらのたれ死んでいたかもしれない。そして演奏者としてのプライドが彼らにはある。スズ子が歌手として、日々歌と向き合っていたように、彼らには彼らだけのストーリーがあったはずだ。「俺たちは楽器鳴らして戦争を生き抜いた。引っ張ったのは福来君、君だよ」と告げる一井。スズ子の一滴の涙は、いつしか滂沱の涙に変わっていた。「どないしよ。急に寂しなってきた!」とリーダーらしからぬ言葉をスズ子が発して笑いが起きるのも、この楽団ならではの空気だった。公式SNSには、通称「ナンバーズ」との記念写真がアップされているが、その楽団としての絆は役を超えて俳優陣の間にも生まれていたのではないかと感じる。
「福来スズ子とその楽団」は役目を終えて解散です!でも、その絆はこれからも変わることはありません😊
「ナンバーズ」のみなさんとスズちゃんたちのオフショットです📸#趣里 #近藤芳正 #陰山泰 #えなりかずき #富田望生 #国木田かっぱ #伊藤えん魔#ブギウギ pic.twitter.com/F9u7bjiuwY
— 朝ドラ「ブギウギ」公式 (@asadora_bk_nhk) January 11, 2024
スズ子は楽団は終わりにするが、小夜には付き人として、山下にはマネージャーとして、これからも仕事を頼むつもりだった。しかし、小夜が付き人を辞めると言い出す。アメリカ兵のサム・ブラウン(ジャック・ケネディ)に夢中な小夜は、人前で「ラッパと娘」を歌い嘲笑されたことで傷心していた。筆者もすっかり忘れかけていたが、そもそも彼女はスズ子のような歌手になるのが夢で、弟子にしてほしいと付き人を名乗り出ていた経緯がある。現実を突きつけられてしまったことが理由にあるように思えるが、次週の予告には髪が短くなった小夜が「これからはオレの人生だ」と涙ながらに話す姿が。
茨田りつ子を演じる菊地凛子が「プレミアムトーク」に登場ということもあり、今年初の“朝ドラ受け”が実現した『あさイチ』(NHK総合)で、鈴木奈穂子アナウンサーが「新章って感じですね、来週から」と話していた通りに、第16週「ワテはワテだす」からは新たな登場人物が続々と姿を見せる。その筆頭と言えるのが、棚橋健二(生瀬勝久)。歌だけでなく、女優デビューを果たすスズ子にとっての演技の師匠であり、「タナケン」の愛称で知られる日本を代表する喜劇役者。その「タナケン」の名は、第62話で坂口(黒田有)からすでに登場している。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK