『おっさんずラブ』田中圭×林遣都の姿が愛しい幕開け 井浦新による『unknown』パロディも
愛しの春田を前に、冷静を保とうとする武蔵だったが、内心は思いが溢れ出しそうになっていた。天空不動産を突如辞めたのも、春田を忘れるため。「君の幸せを願って離れたのに! なぜまた俺を呼び寄せた!」「はるたああああん!!」と今作でも武蔵の重めの愛は健在。吉田鋼太郎の芝居はまだ抑制しているように見受けられるが、それが「渡る世間に武蔵あり」のタイトルが付けられた第2話から暴れ出していくようだ。
狸穴(沢村一樹)は脱サラして漁師に、ジャスティス(志尊淳)は子供が5人生まれて育休中と、劇場版のキャラクターもしっかりと補完しつつ、本作では新キャラが2人登場している。それが和泉幸(井浦新)と六道菊之助(三浦翔平)。和泉は天空不動産に中途採用で入社し、春田のもとに部下としてつく少々ポンコツな人物で、六道はおかかおむすび専門店「おむすびごろりん」の店主。2人を軸にして物語はラスト30秒で衝撃的な展開へと進んでいくことになる。
家を出た春田が目にしたのは、腹部から血を流して倒れている和泉。すると隣の家から六道が出てきて、救急車を呼ぼうとする春田を止め、和泉を持ち上げると「どうかこれは見なかったことに」と告げ、家に戻っていくのだ。言ってしまうと、これは完全に『unknown』(テレビ朝日系)のパロディである。
2023年4月に放送されたドラマ『unknown』は、『おっさんずラブ』チームが手がけ、田中や吉田が出演したラブサスペンス。井浦新も田中が演じる人物の父親であり殺人犯役として出演しており、そんな縁があっての『おっさんずラブ』への起用なのかもしれない。和泉が倒れている様子からは“血濡れの花嫁”を彷彿とさせるのと同時に、そんな『unknown』の流れも汲む自由で、だけどまっすぐな『おっさんずラブ』になることを予感させてくれる。
『おっさんずラブ』と『unknown』で共通しているのは、性別や人種、セクシュアリティを超えて、互いが分かり合い、愛を伝えていくというシンプルなメッセージだ。
■放送情報
『おっさんずラブ-リターンズ-』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15~0:15放送
出演:田中圭、吉田鋼太郎、林遣都、内田理央、眞島秀和、大塚寧々、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉、井浦新、三浦翔平ほか
脚本:徳尾浩司
音楽:河野伸
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、神馬由季(アズバーズ)
監督:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
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