『ブギウギ』趣里×水上恒司、“世界は2人”からの悲劇 坂口は笑顔で好感度急上昇中

『ブギウギ』“世界は2人”からの悲劇

 『ブギウギ』(NHK総合)第63話では、スズ子(趣里)の楽団に山下(近藤芳正)がマネージャーとして加わった。スズ子(趣里)は日本各地を慰問でまわり、東京に戻ると愛助(水上恒司)の看病をする日々を過ごすようになる。第63話では、スズ子が忙しい日々の中で、慰問先で歌手の「福来スズ子」として人々を魅了するかたわら、愛助との慎ましくも幸せな日々を噛み締めるように過ごす姿が描かれた。

 物語冒頭でのスズ子と坂口(黒田有)のやりとりは面白かった。愛助を心配するあまり、坂口への要望が徐々に献身的すぎる内容になっていく。スズ子の要望に合わせて乗り気になっていく坂口の様子が面白い。

 しかし何よりも心に響くのは、愛助とスズ子のやりとりだ。冒頭では、愛助のあたたかなまなざしに元気づけられるように、スズ子は「ほな、行てきます!」と溌剌とした声を響かせる。猫舌だという愛助をからかうスズ子の無邪気な表情から、2人の仲睦まじい生活が見えてくる。

 愛助の病状はひとまず落ち着いたようだと話す医者の言葉を聞き、スズ子と愛助は顔を見合わせ、喜びを分かち合うようにして笑っていた。第58話で語り部(高瀬耕造)がスズ子と愛助について「世界は2人」と語ったように、2人はお互いのことを一心に思っている。「ラッパと娘」を歌って踊る姿にも、遠くに見える空襲に複雑な思いを抱えながら身を寄せ合う姿にもそれが感じられる。

 病状が落ち着いたとはいえ、スズ子の心配は尽きない。愛助はのんびりした声で「心配性やなあ」と言うが、スズ子の面持ちはこわばったままだ。スズ子は亡くなった母や弟に何もできなかったことを悔やんでいる。スズ子の心境を受け止めた愛助は、スズ子の目をまっすぐに見つめてこう言った。

「スズ子さんが懸命に看病してくれへんかったら、僕はもうあかんかったかもしれへん。そやけど、スズ子さんのおかげで乗り切れたんや」
「大丈夫」
「僕はもう大丈夫や」

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