朝ドラ史上初? 『ブギウギ』まさかの“トイレ”からキスシーンの裏側が明らかに
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』が現在放送中。“ブギの女王”と呼ばれる笠置シヅ子をモデルに、大阪の銭湯の看板娘・花田鈴子=福来スズ子(趣里)が戦後のスターへと上り詰めていく姿を描く。
第60話の舞台は、昭和19年の暮。東京にも敵機が襲来するようになり、あたりに空襲警報が鳴り響く。しかし、付き人の小夜(富田望生)や下宿屋のチズ(ふせえり)たちが大急ぎで避難する一方で、スズ子がいたのはなんと“トイレの中”だった。
今まで観てきた戦争ドラマとは一味違う。そう気付かされる一幕であったが、このアイデアは脚本家・足立紳によるものだという。
制作統括の福岡利武は「現場でも、みんなとても楽しそうでした。なにより愛助役の水上(恒司)さんが『このシーンいいよなぁ』と言いながらお芝居していたのが印象的です。趣里さんも声から察するに、非常に生き生きと演じていただけたのではないかと思います」と振り返る。
「『朝から下品だ』と言われてしまうのが怖いな、とも思いましたが、それよりも『面白い』というところに共感しました。(戦時中に)思い切りおトイレに行っているシーンを描くことはなかなかないですし、しっかりと愛助の愛情を感じる場面にもなっている。さらには、そのあとのキスシーンにもつながる、素晴らしい足立節だなと思っています」
空襲警報が解除されると、あらためて愛をたしかめ合った2人が初々しいキスを交わす。直接的にキスシーンを描かない作品もある中で、「特に隠すようなことでもないと思っていました」と福岡。さらには「その後、愛助の病気が出てしまうという場面ですが、『ひとつの愛のピークを描ければ』と思っていたので、自然な流れかなと。ご本人たちにも、その流れの中で自然に演じていただけたと思います」と話した。
また第56話で、これまでスズ子にぶっきらぼうながらも愛ある言葉を投げかけてきた伝蔵のおでん屋が店じまい。福岡は、おでん屋のシーンには“スズ子の分け隔てない共感力”を伝える狙いがあったことを明かし、「実はスズ子と仲が良くて、思いが通じるところがある。だからこそ、伝蔵さんは今までにたくさん良いことを言ってくれましたし、スズ子自身もホッと一息つける場所になっていったんだと思います」と説明する。