『コタツがない家』予想だにしない温もり溢れるラスト 万里江へのクリスマスプレゼント

『コタツがない家』温もり溢れるラスト

 ドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系)が12月20日の放送で最終回を迎えた。

  前回の放送で、深堀家のアイドル・チョーさんの後押しもあり、離婚を回避することができた万里江(小池栄子)と悠作(吉岡秀隆)。「私が来年も再来年もあなたとここで一緒に暮らしたいと思う気持ち。略してワラサ」という万里江が悠作を好きな理由を見つけた第9話があまりにも美しい着地の仕方だったため、ナレーションにて「ダメ男3人衆最後の大暴れ」と予告されてはいたものの、正直なところメインステージ後のエクストラステージになってしまうのではないかと懸念していた。しかし、蓋を開けてみれば物語の本筋として必要な、おそらく誰も予想だにしないラストとなった。

 それが、まさかの“サウナがある家”。ようやく自分の部屋を手に入れた達男(小林薫)は、老後の貯蓄から和室に家庭用サウナを購入。本家より一足早い深堀家流の“サ道”が始まるなんて。クランクアップの記念写真をよく見てみると、万里江の後ろにデカデカとサウナが写っており、順基(作間龍斗)はハーツパンツを履いている。

 達男がサウナを買ったのは、アルバイトの新人・京屋(和賀勇介)とサウナに行き始めた“クマさん”こと熊沢(西堀亮)に振り向いてほしかったから。清美(高橋惠子)が倉谷仁(小堺一機)とゆくゆくは一緒になることを選んだ一方で、達男がサウナを買ってまでして繋ぎ止めておきたいと思うのはクマさんだったのだ(クマさんがここまでのキャラクターになることを、西堀本人が一番驚いていることだろう)。

 最終回のタイトルは「クリスマスの奇跡」。万里江がウェディングプランナーとして担当していた酒井晋一(森優作)と酒井ひかる(富田望生)の結婚式や徳丸康彦(中川大輔)から八塚志織(ホラン千秋)へのプロポーズが描かれていく中で、深堀家ではそれぞれが欲しいクリスマスプレゼントを発表しあっていた。順基が「ダウンコート」、悠作(吉岡秀隆)が「家族からの尊敬」、達男が「自分の部屋」、そして万里江は口にはしないまでも「完成した悠作の漫画」。

 改めて、自分の部屋を手に入れた達男が買ってきたサウナ。和室にデデン!と置いてあるのはかなりミスマッチである。悠作にとってはこの“おかしさ”がだんだんと笑えてくる、一度は止まっていた筆を走らせる漫画のネタになっていた。土門(北村一輝)伝いに、悠作の原稿が完成したことを聞いた万里江は、ととのい椅子で足を伸ばす達男に感謝を告げ、悠作のいる仕事部屋へと駆けていく。そこには眠る悠作と完成した漫画『コタツがない家』の原稿が。万里江は念願だった一足遅い“クリスマスプレゼント”という名の漫画のページをめくりながら、これまでの深堀家のトラブルや言い争いの数々が思い出されていた。

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