『マイハル』佐弥子が教えてくれた自分の道の選び方 拍手を送りたくなる見事なラストに
もちろん、いろんな考え方がある。「せっかく大手に受かったのに」「せっかく日向さんという結婚に最適な相手が見つかったのに」と、その選択肢を手放すことをもったいないと思う人もいるだろう。だが、その選択の先に続く人生を歩むのは佐弥子自身にほかならない。たとえ、もったいないと言われる結果になったとしても、それも彼女の人生の糧となる。第二の青春、人生の宝物となった、この大学生生活のように。
だからといって、最愛の拓からのプロポーズにも食い気味で「断る」と答えたのは思わず笑ってしまった。お互いに変わらず想い合っていることを確認し、それぞれの歩む道も見えた今のタイミングなら、と思ったであろう拓の「えっ!?」もごもっともだ。しかし、佐弥子に「そこはまだ私が歩きたい道じゃないから。まず私は一人前の白玉佐弥子になりたいの。だからそれまで待って」なんて言われたら、自ら「自分の歩みたい道を歩きなよ」と言った手前、「わかったよ」と言わないわけにはいかない。そして同時に、拓はそんな佐弥子を見て、きっと“どこまでも素直でかわいい人だ”と思ったことだろう。
拓は、スイスに向かう前に佐弥子を「自分のものにしたくて指輪を渡そうとした」と言った。そして、スイスから一時帰国したあのときも……。でも、いずれのタイミングでも上手くいかなかったように思う。なぜなら拓も佐弥子も歩みたい道を見極めきれておらず、ましてや相手の歩みを尊重することも難しかった気がするのだ。佐弥子には佐弥子の人生があって、拓にも拓の人生がある。そうして、それぞれが歩みを心から応援し、その道が重なったタイミングで家族として歩み出せばいいということに、今だからこそ納得できているように見える。
それは、5年後か、10年後か。あるいは、拓がスイスで早々に結果を出したように、思ったよりも早くなるかもしれない。佐弥子と拓の「ぐりこジャンケン」は先に行ったと思ったら、いきなり追いついたりするものだから。それまで、拓は毎日「結婚しよう」と言い続けるという。「結婚してめでたしめでたし」なハッピーエンドもいいが、プロポーズの日々が続く「マイ・サード・アオハル」のハッピースタートとでも呼びたくなるような展開なのも2人らしくていい。そう、卒業は新たな章の始まりのタイミング。このドラマを観終えた私たちも、自分の歩みたい道に向かってハッピースタートを切ろうではないか。
■配信情報
火曜ドラマ『マイ・セカンド・アオハル』
TVer、U-NEXTにて配信中
出演:広瀬アリス、道枝駿佑(なにわ男子)、伊原六花、飯沼愛、水沢林太郎、箭内夢菜、濱尾ノリタカ、イモトアヤコ、安藤政信
脚本:北川亜矢子
主題歌:なにわ男子「I Wish」
プロデューサー:塩村香里
演出:青山貴洋、山本剛義、泉正英
企画:吉藤芽衣
編成:武田梓
製作:TBSスパークル
©TBS
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