『幽☆遊☆白書』浦飯幽助は“不良すぎる”? “悪の申し子”とされていた原作第1巻の設定
12月14日より、Netflixで実写ドラマ版が配信される『幽☆遊☆白書』。同作は1990年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された人気マンガを原作としており、約30年越しの実写化となる。
原作の『幽☆遊☆白書』を今読み返してみると、現代ではあまり見られないような描写も少なくない。とくに多くの読者は、主人公・浦飯幽助がイメージよりも“不良すぎる”ことに驚くのではないだろうか。
『幽☆遊☆白書』の導入は、とても有名だろう。幽助は子どもを助けるため車にひかれるも、霊界にとって予定外の死だとして、生き返るチャンスを与えられる。筋金入りの不良なので、命懸けで子どもを助けるとは“お釈迦さま”も思わなかった……というわけだ。
そんな幽助の不良描写は、かなり過激なものが多い。14歳の中学生でありながら、第1話から学校の屋上で堂々と喫煙。その直後には、自分の陰口を言っていた生徒たちに迫り、500円をカツアゲする。そして授業をサボって下校すると、他校の生徒と殴り合いの喧嘩を繰り広げるのだった。
霊界の使いであるぼたんは、幽助のプロフィールが記されていると思われる「えんま帳」を開くと、「カツアゲ・万引き・ケンカ・喫煙・飲酒・賭博・補導の常習犯」といった非行の数々をつらつらと読み上げ、「悪の申し子」とまで言い放っている。
その後、第8話では1日だけ現世の肉体に戻ることを許されるのだが、この貴重な時間を使うために真っ先に向かったのがパチンコ屋。タバコをくわえつつ、競馬も同時に行いながら遊戯を満喫していた。
ちなみに幽助の素行については、学校内でもとんでもないウワサが流れているらしく、クラスメイトの女子たちは、「すでに3つの暴力団からスカウトがきてる」「一声かければ2千人の族の人間が動く」などと囁いていた。ただ、これは尾ひれがついたウワサ話らしく、幼なじみの雪村螢子によって否定されている。
もちろん幽助が根っからの悪人ではないことは、身を呈して子どもを助けたことや、その後の人助けなどを見ても明らかだろう。ただ、イマドキの作品では“不良キャラ”が作中で本当に悪事を働くところはあまり描かれないので、現代の価値観からするとなかなかインパクトが強いかもしれない。
さらにいえば、同じ不良少年である桑原和真がカツアゲや万引きを毛嫌いし、煙草も吸わない“硬派な不良”であることも、幽助のワルさを際立たせている印象だ。