『SF超大作「三体」』をより楽しむために! 物語を追いやすくなる6つのポイントを解説

『SF超大作「三体」』6つのポイントで予習

4. VRゲーム「三体」と三体問題

 汪ミャオは、一連の事件と関係があるらしいVRゲーム「三体」をプレイする。そこに描かれていたのは、日がのぼって沈む昼夜のサイクルが安定している「恒紀」と、巨大な太陽が現れる酷暑やまったく現れない極寒になって生存に適さない「乱紀」が、繰り返す異様な世界だった。その世界の人間は体から“脱水”して「乱紀」をやり過ごし、「恒紀」に水を含んで蘇生する“再水化”という方法で、文明の消滅と復活を繰り返していた。中国史や世界の科学史に実在した人物も現れる「三体」世界でプレイヤーは、「恒紀」と「乱紀」の周期の法則の発見を求められる。

 このゲームの設定は、天体が3つある場合、万有引力で引きあうそれらがどう運動するかは解けないという、科学における「三体問題」の議論を背景に発想されている。

5. 主題曲「三体」

 ドラマのオープニングとエンディングの曲は、ずっと固定されているわけではないが、エンディングで流されることの多いRe-TROSによる主題曲「THREE-BODY」には、「もうすぐこの星は消える」、「もうすぐ君の星は罰を受ける」という不穏なフレーズがある。今後の人類に迫る危機がどんなものか、予告するような歌詞なのだ。

6. 科学の危機

『三体』では、物理学者の連続自殺、射撃主と農場主のたとえ話が示唆する科学の限界、「三体」世界の消滅を繰り返す文明のほか、科学のマイナス面である環境破壊を取材する慕星(ムー・シン)という記者の登場(ドラマのオリジナル・キャラクター)など、科学の危機が1つのテーマになっている。当然、科学に関することがらが語られ、専門用語が少なからず飛び交うが、全部を理解する必要はない。極端な話、科学の危機が人類の危機に結びつくことさえ理解できればいい。

 そもそも、ナノテクノロジー研究者の汪ミャオは科学の専門家だが、彼のバディである史強は、武骨で粗野な警察官だし、もともと実体験重視型の人物である。科学理論のよき理解者などではない。そんな史強でも汪ミャオと危機感を共有する。つまり、科学が得意ではない私やあなたでも、人類を超越したなにかを想像できるし、『三体』を楽しめるのだ。

■放送・配信情報
『SF超大作「三体」』
WOWOWにて全30話日本最速放送・配信中
・第1話~第20話  WOWOWオンデマンドで配信中【WOWOWオンデマンド】
・第21話~第30話   12月9日(土)、10日(日)12:00~5話ずつ放送【WOWOWプライム】※第21話以降も放送後WOWOWオンデマンドで順次配信
出演:チャン・ルーイー、ユー・ホーウェイ、チェン・ジン、ワン・ズーウェン、リン・ヨンジエン、リー・シャオランほか
監督:ヤン・レイ
脚本:ティエン・リャンリャン、チェン・チェン
©TENCENT TECHNOLOGY BEIJING CO., LTD.
公式サイト:https://www.wowow.co.jp/release/006830
WOWOWオンデマンド配信ページ:https://wod.wowow.co.jp/browse/title/105181?ht=episode_sub&season_id=105181&so=ena

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