『ブギウギ』『カムカム』『ごちそうさん』 朝ドラが描いてきた“戦争とヒロインの人生”
夫が戦争に赴くことになってしまうが、最終的には復員し、夫婦での幸せな生活が見えるこの2作に比べて、『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期)はより壮絶。初代ヒロインの安子(上白石萌音)は、戦争により夫・稔(松村北斗)と離れ離れになってしまう。しかも母と祖母を失い、父はショックで寝込んでしまう。安子は父を元気付けようとおはぎを作り、焼け野原に上りを立てて、実家の和菓子屋「たちばな」を再建させようとする。この時受け継がれるあんこが物語のキーアイテムとなっていく。
『カムカムエヴリバディ』新たな戦争描写の境地を開く 多くの人に観られる朝ドラの使命
「どこの国とも自由に行き来できる。どこの国の音楽でも自由に聴ける。僕らの子供にゃあ、そんな世界を生きてほしい。ひなたの道を歩いて…
『ブギウギ』では、スズ子(趣里)自身が表現者として「お国のため」に駆り出されていく。羽鳥(草彅剛)の妻・麻里(市川実和子)は「生きることが芸の肥やし」と言うが……。一方で大阪で赤紙に喜ぶ六郎(黒崎煌代)の姿が切ない。スズ子たちが生業にする芸能は、非常時にはまっさきに“不要”とされるものでもある。「心ズキズキ ワクワク」な物語が描かれてきた本作は、戦争をどんな視点で見つめていくのだろうか。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK