新田真剣佑の獰猛なアクションに没入 『聖闘士星矢 The Beginning』は“新たなはじまり”に

『聖闘士星矢』新田真剣佑の獰猛なアクション

 俳優・新田真剣佑が本格的な海外進出を果たした『聖闘士星矢 The Beginning』のBlu-ray&DVDが11月8日より販売開始となる。ハリウッド規模だからこそ実現できたド派手なアクションやVFXによる神秘的な映像の数々を、誰もが自宅にて堪能することができるわけだ。

 本作はご存知のとおり、車田正美による日本の大人気マンガ作品『聖闘士星矢』を原作としたもの。同作はこれまでに、アニメ、舞台、ゲームなど、さまざまなメディアミックスを繰り広げてきた。そして、連載開始から38年の時を経て、ついに実写化。それもハリウッドでだ。

 人気マンガの映画化にはつねに否定的な声がつきまとうものだが、裏を返せばそれだけ原作を愛する熱狂的なファンがいる証でもある。ただ、もしも実写化するのなら、やはりハリウッドで実現されることを誰もが望んだことだろう。「ギリシャ神話」をモチーフにした壮大なスケールの作品であり、映画化となれば非常に大がかりなものとなるのは必至。原作の持つ世界観を実写で立ち上げるのならば、やはりハリウッドというわけである。

 そんな本作が描くのは、タイトルからも分かるように物語の“はじまり”の部分だ。主人公・星矢(新田真剣佑)は生き別れた姉を探しながら、地下格闘技で生計を立てるその日暮らしの日々。そんなある日、星矢は格闘中に思いがけず特別な力を発してしまったことで、謎の集団から追われることとなる。その力は「小宇宙(コスモ)」という限られた者だけが持つエネルギーだった。

 彼らの狙いは星矢のように強力な「小宇宙」を持つ者と、シエナという一人の女性の命。やがて自身の宿命を知った星矢は「聖闘士(セイント)」として目覚め、世界を揺るがす戦いに身を投じていくーー。

 38年も前に日本で誕生した物語を海外で映画化したのだから、改変はあって当然だ。結果として目まぐるしい展開が続く、かなり情報量の多い作品になっている。かといって観客を置き去りにするようなものではない。

 特異な世界観を見事に立ち上げてみせた映像技術には圧倒的な説得力があるし、前のめりな姿勢で臨んだ主演の新田はもちろん、『ジュマンジ』シリーズや『アナベル 死霊博物館』(2019年)などで知られる新進気鋭のマディソン・アイズマン、『X-MEN』シリーズのジーン・グレイ役でおなじみのファムケ・ヤンセン、そして『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズをはじめとする多くの大作を支えてきたショーン・ビーンらハリウッドスターが主要キャラクターに扮していることも大きなポイント。彼ら彼女らもまた特異な世界観の構築にそれぞれのポジションから貢献している。むしろ没入するあまり、置いていかれる観客がいてもおかしくないくらいだ。

 さて、本作で本格的な海外進出を果たした新田といえば、いまや世界中から熱い注目を浴びている俳優である。彼はこれまでにも『ブレイブ -群青戦記-』(2021年)や『るろうに剣心 最終章 The Final』(2021年)、『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』(2022年)といった人気マンガを原作とした映画にて、主役やそれに次ぐ役どころを担ってきた。

 マンガから飛び出してきたような身体づくりには定評があり、どんな作品であれ新田が主要キャストとして関わっているならば、「間違いない!」と捉えてきた方は少なくないだろう。

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