『うち弁』向かい風を追い風に変える面白さ ムロツヨシのコメディ演技はフルスロットルに
第2話から徐々に色濃くなってきたムロのコメディ演技は、退院後ということも相まってか、第4話では“ムロツヨシ劇場”と呼びたくなるほどにフルスロットルになってきている印象だ。今回のゲストである戸塚純貴とムロは『親バカ青春白書』(日本テレビ系)で共演していた間柄。戸塚のInstagramには「『親バカ青春白書』第9話観てください」と爽やかトーンで呼びかけるムロと戸塚のリールがアップされている。その延長として劇中でもふざけてしまいそうに思えるが、そこは逆にグッと堪えて、「自分の人生を生きてください」と蔵前が自身と似た境遇にいる木原(戸塚純貴)の背中を押すシーンは見事だった。
一方の杏は回を増すごとにそのポンコツっぷりがあらわになってきている。以前から迷子になったり、すぐに物を失くしたりと抜けている性格なことは明らかであったが、蔵前をはじめとする香澄法律事務所の同僚の名前を誰一人覚えていないというのは驚きだ。蔵前に持たされた手帳にその人の名前と特徴をメモしていく杏。それはほぼ“悪口ノート”に変貌していくことになるが、蔵前が「元マネージャー」で「人を見る目がある」ことは記憶することに成功。蔵前だけでなく山崎(松尾諭)や丸屋(酒向芳)の名前も覚え、コーヒーに砂糖とミルクをたっぷり入れているところを事務所の面々に見守られ、「偉い! 偉い!」と讃えられている姿は、もはや“赤ちゃん”である。裁判が終わるまでお預けになっていたグミを蔵前から渡されニコッと笑みを見せる杏。第4話では今日子を前に「あ………」と声にならない声を出す一幕もありながら、山崎から「弁護士失格だ」、姉のさくら(江口のりこ)から「弁護士を名乗る資格なんてないのにね」と言われ、遠くを見つめる表情のシーンもあった。
第5話の予告動画は当然間に合うわけもなく、ムロと平手友梨奈、松尾諭による写真を繋ぎ合わせた10秒の簡素な動画が流れた。「第5話は蔵前が緊急入院」と言われると冗談に聞こえないが、ギリギリの制作の中で、無理のない程度に、だけれど面白い作品を、と願うばかりだ。
■放送情報
『うちの弁護士は手がかかる』
フジテレビ系にて、毎週金曜21:00〜21:58放送
出演:ムロツヨシ、平手友梨奈、吉瀬美智子、菅野莉央、日向 亘、安達祐実、村川絵梨、松尾諭、大倉孝二、酒向芳、戸田恵子、江口のりこほか
脚本:服部隆、おかざきさとこ、西垣匡基
演出:瑠東東一郎、相沢秀幸
プロデュース:金城綾香
主題歌:ザ・ローリング・ストーンズ「アングリー」(ユニバーサル ミュージック)
制作:フジテレビ ドラマ・映画制作部
制作著作:フジテレビジョン
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