『ゴジラ-1.0』監督×音響がDolby Cinemaの魅力を語る 鳴き声は“聴く”ではなく“浴びる”

『ゴジラ-1.0』監督×音響効果が語る

 ゴジラで「音」の表現……といえば、やはりゴジラの印象的な鳴き声をイメージする人も多いだろう。「ゴジラが来た!」と思わず身震いしそうな“あの声”を、今回は一体どのように表現したのか。井上曰く、今回ゴジラの鳴き声は初代のものを使うことが方針として決まっていたそうだ。

『ゴジラ-1.0』音響効果担当の井上奈津子
井上奈津子

 ゴジラの声について、「私の役目は1954年に呼び出された国宝の声を現在の音響システムで流し切ることだなと思いました。それで、声を崩さないようにいろんなことをやったんですけど、最終的に“響き”が足りないことに気がついて。それで、以前からやってみたかったことの一つで、外で実際に収録してその反響を映画の素材として使おうと思ったんです。やるならこの作品しかないんじゃないかと思って。ものすごく大きいスピーカーで、広い場所で、天井がなくて、抜けていて、なおかつ少し傾斜があって反射がある……もうZOZOマリンスタジアムしかないと。電光掲示板の裏の一番大きなスピーカーから流した時の感動といったら、忘れられないですね」と井上が語ると、「本当にゴジラを目の当たりにした人はこの音を聞くんだと思うと、お腹の底が震える感じがしましたよね」と山崎監督も納得の表情で頷く。

『ゴジラ-1.0』

 さらに「当日、(井上が)マイクの千手観音みたいになってたんですよ。『こんないるの?』って思いました。その日だけに馳せ参じた録音部の人たちがズラッと並んでて……」と、録音時のエピソードを語った。今回は、約10人の録音部隊がそれぞれ録音機とマイクを持ち、ZOZOマリンスタジアムで初代ゴジラの声を録音したという。ゴジラの方向が、広大なスタジアムの中で響きわたる風景をつい想像してしまう。

新映像【対ゴジラ篇】映画『ゴジラ-1.0』《2023年11月3日劇場公開》

 最後に「本当に現実にゴジラが来た時の感覚をスクリーンで体感することができるので、ゴジラに会いたい人はDolby Cinemaを選択していただければと思います」と本作のDolby Cinemaならではの魅力を語った山崎監督。続けて井上が「Dolby Cinemaには本当に無限の可能性があって、その中でこの作品のためだけに音をデザインしていったので、それを劇場で体感して欲しいです。全ての音の要素が、このAtmosのために再度ミックスされたものなので、7.1chや他のフォーマットとの違いを楽しんで欲しいなと思います」と締めの言葉を述べ、取材会は終了した。

■公開情報
『ゴジラ-1.0』
11月3日(金・祝)全国公開
出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介
監督・脚本・VFX:山崎貴
音楽:佐藤直紀
制作プロダクション:TOHOスタジオ、ROBOT
配給:東宝
©2023 TOHO CO.,LTD.
公式サイト:https://godzilla-movie2023.toho.co.jp
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/godzilla231103
公式Instagram:https://www.instagram.com/godzilla231103/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@godzilla.toho

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