『パリピ孔明』八木莉可子が七海の葛藤を体現 同年代の上白石萌歌と共に生んだ“青春”

『パリピ孔明』八木莉可子が痛みと輝きを体現

〈口ずさんだ子守唄に 幼き日の夢が蘇る/探していたものはこんなに近くで 呼びかけるように瞬いてた〉

 英子(上白石萌歌)の新曲「DREAMER」がついに完成。幾田りらが作詞作曲を手がけたその曲は、夢追い人たちの輝きと苦しみに寄り添う。夢を叶えるのは容易いことじゃない。それでも自分を救ってくれた音楽で今度は誰かを救いたいという英子の、そして演じる上白石萌歌自身の思いも重なり、楽曲は優しくも力強さを増した。

 編曲家のキド(長岡亮介)に指摘された今の自分に足りないものと英子が向き合った『パリピ孔明』(フジテレビ系)第5話。ヒントを与えてくれたのは、好敵手の存在だった。

 超大型音楽フェス「サマーソニア」の出場権をかけたSNS10万いいね企画は大詰め。鍵を握っているのは英子が制作中の新曲だが、なかなか編曲家のキドを納得させることができない。勝負をかける日が刻一刻と近づく中、英子は路上ライブで出会った七海(八木莉可子)と歌で絆を深めていく。しかし、その正体は、孔明(向井理)が今回の企画で最大のライバルとみる仮面アイドルユニット「AZALEA(アザリエ)」のベースボーカルだった。

 歌手としてはアマチュアでまだ知名度も低い英子とは違い、AZALEAは大手音楽事務所「KEY TIME」が絶賛売り出し中の人気と実力を兼ね備えたユニット。そのメンバーである七海がなぜ、わざわざ路上でライブをしているのか。それは彼女に自分の音楽を諦めきれない気持ちがあるからだろう。

 もともとは高校の友人同士で3人組の女性バンドを結成し、活動していた七海。しかし、声をかけてくれたKEY TIMEのプロデューサー・唐澤(和田聰宏)が彼女たちを自分色に染めた。奇抜な衣装に仮面をつけ、楽器を手放した3人は代わりにロボットダンスを踊る。エフェクトがかったボーカルも相まって、どこか無機質で独特の世界観を持つユニットに生まれ変わった。ビジュアルやポーズはBABYMETAL、曲調やダンスなどはPerfumeを彷彿とさせる。それはそれで他のアーティストと一線を画すインパクトがあり、唐澤のプロデュース力は光るが、バンドだった頃の面影はもはやないに等しい。七海は当初、唐澤に反発していたが、以前とは比べ物にならないお金が手元に入ってくると気持ちは浮き足立った。

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