『ヒップタッチの女王』『私の解放日誌』で視聴者を魅了 イ・ミンギの強い瞳が持つ吸引力

イ・ミンギの強い瞳が持つ吸引力

 イ・ミンギが、刑事のムン・ジャンヨル役を演じたNetflixのドラマシリーズ『ヒップタッチの女王』は大いに話題を呼んだ。韓国国内放送で1位を獲得し、Netflixでの全世界ランキング(非英語)や日本も賑わせた同作は、好評のうちに最終回を迎え、いまだにその余韻に浸っているという人もいるのではないだろうか。

 同作はソウルから左遷されて田舎町の警察署にやってきたジャンヨル(イ・ミンギ)と、叔母が手伝う獣医の祖父から受け継いだ動物病院を営む獣医ポン・イェブン(ハン・ジミン)が、殺人事件の真相を追っていくサイキックコメディだが、「誰が犯人なのかわからない」「誰しもが犯人でもあり得る」というミステリー要素も味わわせてもらった。

 なかでもイェブンの“おしりを触ると過去が視える”というサイコメトリー能力を軸に展開するストーリーにおいて、変人だからこそ何があっても動じないジャンヨルの存在は絶対的な安心感がある。筆者が号泣した名作『まぶしくてー私たちの輝く時間―』にも出演していたハン・ジミンだが、同作の演出キム・ソギュン×脚本イ・ナムギュのコンビによる『ヒップタッチの女王』で再び物語を惹きつけた彼女も良かったし、イ・ミンギがジャンヨルの変化していく心情を艶やかに見せていたのも印象深かった。

『ヒップタッチの女王』(JTBC公式サイトより)

 そんなイ・ミンギは1985年1月16日生まれの現在38歳。『最高の愛 ~恋はドゥグンドゥグン~』や『私たちのブルース』のチャ・スンウォンに憧れて、モデルとして活動した後、芸能界へ。MBC演技大賞の男性新人賞を受賞したドラマ『がんばれ!クムスン』のヒロインの義兄役でブレイクし、2007年に『タルジャの春』『いいかげんな興信所』と2作が放送され、注目を集めるなか、さらに映画『浮気日和』も公開と、ドラマだけでなく映画へも進出。

 2008年の映画『おいしいマン』では、池脇千鶴や『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョン・ユミらと共演し、ミュージシャン役のため歌うシーンなども披露したイ・ミンギ。池脇は2003年の映画『ジョゼと虎と魚たち』により韓国でも知られる女優だが、『ヒップタッチの女王』のハン・ジミンが、ナム・ジュヒョクと共演して(『まぶしくてー私たちの輝く時間―』コンビともいえる)『ジョゼと虎と魚たち』の韓国リメイク版を2020年に公開したのも興味深い。その後、イ・ミンギは、2009年の映画『TSUNAMI-ツナミ-』で海洋救助隊員役を熱演し、翌年に第46回百想芸術大賞の映画部門男性新人演技賞を受賞。俳優としての礎をより固めることに成功した。

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