『ヒップタッチの女王』コメディかミステリーか? ハン・ジミン&イ・ミンギが名コンビに
Netflixで韓国ドラマ『ヒップタッチの女王』の配信がスタートした。
平和な田舎町・ムジンで、祖父の動物病院を継いだ獣医師のポン・イェブン(ハン・ジミン)がある日突然、人や動物の尻に触ると過去が見えてしまう特殊能力を身に付けてしまい、刑事のムン・ジャンヨル(イ・ミンギ)とともに事件に巻き込まれていくドタバタコメディ。
ハン・ジミンとイ・ミンギが体当たりでコメディに挑戦し、ドラマ『二十五、二十一』や『私の解放日誌』をオマージュしたパロディシーンがあり、観始めると癖になるドラマとして話題だ。演出は『私の解放日誌』のキム・ソギュン、脚本は『まぶしくて ー私たちの輝く時間ー』のイ・ナムギュが手掛ける。すでに第4話まで配信されているが、ここまでの見どころを紹介したい。(以下、第4話までのネタバレあり)
ハン・ジミン&イ・ミンギのコンビが最高!
主人公のポン・イェブン(ハン・ジミン)が、制服姿で走っているシーンから物語がスタート。彼女が向かった先は、母親が車で海に転落した事故現場で、イェブンが到着したとき、母親はすでに亡くなり、イェブンはひとりぼっちになってしまう。
これはシリアスなドラマなのか……と思っていたら、イェブンが母親の故郷・ムジンに戻り、祖父で家畜病院の院長、チョン・ウィファン(ヤン・ジェソン)と叔母のチョン・ヒョンオク(パク・ソンヨン)と生活を始めてからは、コメディ色が強くなっていく。
イェブンと祖父は確執があるようだが、叔母とはなかなかのコンビで、高校の同級生ぺ・オクヒ(チュ・ミンギョン)も加わりドタバタぶりが加速。ぼーっとしていてお人好しのイェブンは、勉強はそこそこできたため、高校卒業後は獣医大学へ進学し、獣医師になって町に戻ってくる。祖父の家畜病院を動物病院にして継ぎ、叔母とともに奮闘するが、農村のムジンで牛や豚を診ることを拒否するイェブンは、患者が増えないのが悩みだ。
そんな牧歌的な町に、ソウルから一人の刑事・ムン・ジャンヨル(イ・ミンギ)が左遷されてくる。捜査でミスを犯したことで、意に反してムジンに着任したジャンヨルは、一刻も早く手柄を立てて、ソウルへ戻ることだけを考えている。
しかし「凶悪事件発生!」といわれ、意気込んで現場に向かったジャンヨルが目にしたのは、暴走する牛の背中に乗っているイェブンだった。「どこが凶悪事件なんですか!」と上司のウォン・ジョンムク(キム・ヒウォン)に文句を言うジャンヨルだが「牛が暴走するのが凶悪事件でなくて何なんだ!」とジョンムクに言い返され、絶望的な気分になる。
イェブンとジャンヨルの出会いは最悪なものだったが、流星群がムジンの町で見られた夜、イェブンは不思議な力を手に入れ、ジャンヨルの凸凹コンビぶりに拍車がかかる。
イェブンが手に入れた不思議な力は、人や動物のお尻に触るとその過去が見えるというもの。そのおかげで犬や猫の気持ちが見え、的確な診断が話題となり動物病院は大繁盛する。しかし犬や猫のお尻を触るのは獣医師として自然なことだが、人間のお尻を触るのは、少々危険が伴う。お人好しのイェブンは、バスでスリを見かけ、スリを捕まえるべくお尻を触っているところをジャンヨルに見つかり、逮捕されてしまう。
イェブンが事情を話してもジャンヨルは信用せず、イェブンを変態呼ばわりし、「いつでも監視してるぞ!」と脅す。そんな2人のやり取りがエキセントリックで面白くてたまらない。コロコロ変わるイェブンの表情、クールに見せているがどこか間が抜けているジャンヨルを演じるハン・ジミンとイ・ミンギは、体当たりでコメディに挑戦している。さらに、カメラワークが、2人のコミカルな演技をパワーアップさせている。
ようやくイェブンの能力を認めたジャンヨルは、自分の手柄にするためにイェブンを利用しようとする。しかし2人の背後には、ジャンヨルが待ちに待った(?)凶悪事件がうごめいているようだ。2人の運命はいかに……?
ミステリアスな演技を見せるスホ 敵か味方か?
ムジンに突然現れたハンサムな青年、キム・ソヌ(スホ)。色白で笑顔が魅力的なソヌに、イェブンは一目ぼれをしてしまう。コンビニでアルバイトするソヌに会いたいために、何かと理由をつけてイェブンはコンビニで買い物をするのだが、ソヌのミステリアスぶりに筆者は一抹の不安がある。
イェブンは母親の死をきっかけにムジンにやってきたが、ソヌも亡くなった母親の故郷がムジンだという。「僕たち、共通点が多いですね」と笑顔を見せるが、果たして彼がムジンにやってきた本当の意図は何だろうか。
第5話の予告で、ソヌが意味深な発言をしている場面があり、イェブンの味方なのか敵なのか、現時点でははっきりしない。スホのイケメンぶりを見ていると「味方であってくれ~」と祈りたくなるのだが、果たしてどうなるだろうか。