朝ドラ『ブギウギ』に片山友希が与えるリアリティ 抑制のきいた演技がもたらす効果とは

『ブギウギ』片山友希が与えるリアリティ

 趣里が演じるヒロイン・花田鈴子が福来スズ子としての人生を本格的にスタートさせた朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)。「梅丸少女歌劇団(USK)」にて切磋琢磨し合える個性的な仲間たちに囲まれ、ときに悩み、衝突し、笑い合う。そんな日々を過ごしている。

 この仲間たちの一人を演じているのが片山友希だ。『べっぴんさん』(2016年度後期放送/NHK総合)に続いて2度目の朝ドラ参戦となった彼女が、さっそく本作に劇的な展開を持ち込みつつある。

 『ブギウギ』で片山が演じているのは桜庭和希。USKではスズ子とリリー白川(清水くるみ)と同期だ。不器用だが真面目な性格の持ち主で、家業である畳屋を手伝いながらレッスンに通っている。花咲歌劇団から移籍してきた後輩の秋山美月(伊原六花)とポジションが同じで、実力があり気も強い彼女に追い抜かれ、精神的に参っているところ。ステージを降りるとどうにも元気がなく、つねに不安げな表情を浮かべている。片山の抑制のきいた演技は和希の自制心を丁寧に表現していて、分かりやすいセリフやアクション(=動作)に頼らずとも、彼女の心情が震えている事実をキャッチすることができる。

 本作の公式ガイド『連続テレビ小説 ブギウギ Part1』(NHK出版)にて片山は、「和希のいらだちや焦りは、私が18、19歳のころに抱いた感情に似ていて共感できます。後輩の秋山とはライバル関係にありますが、次第にコミュニーケーションがとれるようになっていく。その心の変化も、自分が少しずつ人の意見を聞けるようになった経験とシンクロします」と、彼女自身と演じる役とを冷静に分析しながらその接続点に言及。

 さらに「和希は秋山の才能を認めることで、自分のことも認められたのでしょう」と続け、「秋山のことを話すセリフは悪口に聞こえないよう気を付けましたね。実力がある後輩に対してにじみ出る悔しさを表現しようと考えました」と演じるうえで留意したポイントについても語っている。

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