『パリピ孔明』向井理だから際立つ“孔明感” アニメ版との対比で見える制作陣の気概
ドラマならではの魅力として、英子と孔明が訪れるクラブやライブハウスの洗練された雰囲気も挙げられる。これはKing & Princeのデビュー曲「シンデレラガール」のMVをはじめ、数々の広告やMVを手がけてきた映像ディレクター渋江修平の手腕によるものだ。青みがかった美しいネオンライトが照らすステージは、英子以外のアーティストが立っているときも決してチープさがない。
渋江の演出に加えて、近谷直之の時折挟まる中華的な世界観を表現した音楽もゴージャスな雰囲気を増幅させる。渋江と近谷はドラマ『あせとせっけん』(MBS)で組んだタッグでもあるが、この2人が作り出す“物語の舞台”が、作品における音楽ドラマとしての面白さを生み出している。
アニメ『パリピ孔明』はしばしば、声優とは別に歌唱担当のポジションを設けるケースの成功例として語られることも多い。しかし、これはアニメの特性を活かしたアプローチでもある。同じ試みはできないからこそ、異なる形で“音楽ドラマ”としてのポジションを築きつつあるのがドラマ『パリピ孔明』とも言える。
音楽、キャスティング、演出……緻密に練られたその全てから感じるのは制作陣の気概だ。ある意味では、放送を毎週楽しみにしている我々もまた、孔明の掌の上で楽しく踊らされているのである。
■放送情報
『パリピ孔明』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:向井理、上白石萌歌、菅原小春、宮世琉弥、八木莉可子、森崎ウィン、関口メンディー、アヴちゃん(女王蜂)、ELLY、ディーン・フジオカ、森山未來ほか
原作:『パリピ孔明』四葉夕ト(原作)、小川亮(漫画)(講談社『ヤングマガジン』連載)
脚本:根本ノンジ
企画:髙木由佳(フジテレビ)
プロデューサー:八尾香澄
演出:渋江修平ほか
音楽:近谷直之
制作協力:C&Iエンタテインメント
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
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