ドラマ『パリピ孔明』が絶好調! 今こそ観てほしいアニメ版の見どころを解説

今こそ観てほしいアニメ版『パリピ孔明』

 9月27日より放送がスタートしたドラマ『パリピ孔明』(フジテレビ系)が好評だ。本作は、民放公式テレビ配信サービスTVerの見逃し配信の再生数では、週間再生数1位、X(旧Twitter)でもトレンド1位を獲得するなど、今季最も注目を集めているドラマのひとつだろう。本稿では、ドラマ版との比較を通して、改めて昨年放送され一世を風靡したアニメ版の魅力を再考してみたい。

 『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて連載中の『パリピ孔明』。単行本の累計発行部数は160万部(2023年9月28日現在)を突破する人気コミックが、アニメ化に引き続き実写ドラマ化された。本作は、名軍師・諸葛亮孔明が現代の日本に転生し、歌手を目指す月見英子の芸能マネージャーとして成功に導いていく“音楽青春コメディ”となっており、“音楽”を通して孔明の数々の手腕、そしてシンガーソングライターを目指す英子の成長が描かれている。

QUEENDOM / チキチキバンバン(TVアニメ「パリピ孔明」スペシャルMV)

 昨年放送されたアニメ版では、オープニングテーマに「チキチキバンバン」、エンディングテーマには「気分上々↑↑」という懐かしい名曲のカバーを起用。中でも「チキチキバンバン」はノリの良さからSNSとの相性もよく、TikTokやYouTubeで「踊ってみた」「歌ってみた」「弾いてみた」などの動画が多数投稿され、『パリピ孔明』ブームとも言える現象を巻き起こした。

 現在放送中のドラマ版では、戦いのさなか病に倒れた蜀漢の天才軍師・孔明を向井理、シンガーになることを夢見る英子に上白石萌歌をキャスティング。上白石はアーティスト名・adieuとしても活動しており、アニメとは違って演技と歌唱を分けることができないドラマにおいて両方をこなせる彼女は適役だ。

 原作に忠実だったアニメ版とは違って、大幅に再解釈されていたのがドラマ版。例えば、孔明と英子の会話にもそれが表れている。アニメでは喜怒哀楽のあるキャラクターとして描かれていた英子と天才軍師であるはずの孔明のコメディにも取れるやりとりが見どころではあったが、ドラマでは孔明に対して英子が鋭くツッコみを入れるシーンもあり、より自然な会話になるように描かれている。

『パリピ孔明』向井理の“ハマり具合”に納得 アヴちゃんらによる圧巻のパフォーマンスも

ま、眩しい……! 向井理主演の連続ドラマ『パリピ孔明』(フジテレビ系)が9月27日にスタートした。五島列島の自然豊かな風景に癒さ…

 第1話ではダンサーの菅原小春やアヴちゃん(女王蜂)、関口メンディー(EXILE / GENERATIONS from EXILE TRIBE)など、アーティストとして経験豊富なキャストが登場したことも話題となっており、序盤からすでにライブシーンへのこだわりが感じられた。中でもドラマではアニメとは異なり普段の会話と歌唱を分けることが難しいため、ライブシーンを明確に差別化することで音楽のクオリティを担保していた。それはこれまでモーニング娘。’15「青春小僧が泣いている」やKing & Prince「シンデレラガール」のMVを手がけてきた渋江修平監督が演出を担当しているというところが大きい。

 英子がシンガーソングライターを目指すきっかけとなったアメリカの歌姫マリア・ディーゼルを演じたアヴちゃんの歌唱シーンは、まるでMVのワンシーンを観ているからのような映像美とアヴちゃんの圧倒的な歌唱力で、英子の人生に大きく影響を与えた人物としての存在感を強調していた。このようにライブシーンでリアルなライブの肌感を感じられるのがドラマの魅力だ。本作には総勢25組のアーティストが出演することが予定されており、今後も要注目だろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アニメシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる