『らんまん』万太郎が理学博士になるのは“傲慢”か“時代”か 寿恵子との別れが近づく気配も

『らんまん』万太郎の今を作り上げたもの

 物語の終わりに、万太郎は理学博士になった。しかし第128話が心に残るのは、万太郎と寿恵子の別れが近づいていることが分かる描写にあるといえる。寿恵子が千鶴(本田望結)と台所に立っていた時と授与式で千鶴に支えられながら歩く姿から、体調が徐々に悪化していることは十分に伝わってくる。万太郎が寿恵子を連れて病院へ行った場面は描かれていないが、授与式で万太郎が寿恵子を見つめながら話した言葉から察することはできる。

(左から)槙野寿恵子役・浜辺美波、槙野万太郎役・神木隆之介

「あらゆる命には限りがある。植物にも、人にも。ほんじゃき、出会えたことが奇跡で……今、生きることがいとおしゅうてしかたない……と」

 万太郎の言葉に、寿恵子は照れたような表情でうなずいた。情熱をもって植物と向き合い続けた万太郎の今を作り上げたのは、万太郎の意志だけではない。そのことを改めて感じさせる感慨深い回となった。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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