『ウソ婚』が教えてくれた世界の色の変え方 菊池風磨と長濱ねるだったからこその匠と八重

『ウソ婚』が教えてくれた世界の色の変え方

 最終話では、ずっと建前で話してきた匠と八重が本音でぶつかり、ようやく2人の気持ちが通じ合うことになった。ただ、ウソの夫婦だった2人が本物の夫婦になったことで、なかには傷ついた人もいる。八重を守ってきた吉田健斗(黒羽麻璃央)や、匠に想いを寄せていた進藤将暉(渡辺翔太)の恋は儚く散ってしまった。しかし、誰のことも傷つけない幸せなんて、この世界には存在しない。そして、傷つくことがあったとしても、私たちはまた立ち上がることができる。終盤、進藤がブルーの風船を持った女の子と、ピンクの風船を持った男の子を見て「そっか……」と微笑んだ場面があったが、ここに『ウソ婚』が伝えたかったメッセージが込められていたような気がした。

 つい、建前でばかり話してしまう自分のことも愛してあげよう。他人に本音を見せるのが、怖くてもいい。ただ、建前よりも本音で生きられる時間が、ほんの少しでも長かったら。「この人になら、本音で話せる」と思える相手を、ひとりでも見つけることができたなら、世界の色は少しずつ変わっていく。そんなことを、『ウソ婚』の登場人物たちが教えてくれた。

■配信情報
『ウソ婚』
TVer、FODにて配信中
出演:菊池風磨(Sexy Zone)、長濱ねる、渡辺翔太(Snow Man)、トリンドル玲奈、織田梨沙、黒羽麻璃央、鶴見辰吾ほか
原作:時名きうい『ウソ婚』(講談社『姉フレンド』連載)
脚本:蛭田直美
音楽:岩本裕司
主題歌:Sexy Zone「本音と建前」(Top J Records)/作詞・作編曲:椎名林檎
監督:山口健人、木村真人
プロデューサー:岡光寛子(カンテレ)、島本講太(ジェイ・ストーム)、芳川茜(共同テレビ)
制作協力:共同テレビ
制作:カンテレ、ジェイ・ストーム
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/usokon/
公式X(旧Twitter):@kadora_11j
公式Instagram:@kadora_11j

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