恋リア『オオカミちゃん』で話題の大久保桜子、俳優ブレイク必至か　演技の登竜門に変化？

　かつては俳優として名をあげるには「テレビでの活躍」が大きな要因の1つだった。しかし、時代が変わる中で新たな機会が広がっている。現在でもドラマや映画への出演は非常に重要なキャリアの分岐点だが、アーティストとしてのキャリアの延長やSNSでの活動を通じてブレイクするケースも増えている。その中でも、近年注目の若手俳優が数多く誕生しているのが恋愛リアリティショーだ。

　特に注目を浴びているのが、この夏Netflixで配信された恋愛リアリティショー『オオカミちゃんには騙されない』（以下、『オオカミちゃん』）に出演した大久保桜子だ。この番組には斬新な設定があり、出演メンバーの中に恋愛禁止の“オオカミ”メンバーが紛れ込んでいる。つまり、オオカミは自身の存在を隠しながらメンバーと共同生活を送ることになるのだが、嘘をつきながらメンバーを惑わすオオカミたちの巧妙な演技が、『オオカミちゃん』の魅力を引き立てているといっても過言ではない。

　今シーズンの番組では、既に1人のオオカミが特定されており、もう1人以上いるであろうと推測されていたオオカミの正体が隠されていた。その最後の1人が大久保であったことの意外性に、驚きと興奮を感じた視聴者は少なくないだろう。また、今回の一件はSNS上でも話題となり、大久保桜子の名前は急速に広まった。そしてこの今回の『オオカミちゃん』への出演こそ、単なる話題性の獲得だけでなく、彼女の俳優としてのキャリアにも大きな影響を与える可能性がある。

　実際に、近年の恋愛リアリティショーは俳優の登竜門としての役割も果たしている。たとえば、同シリーズからは『太陽とオオカミくんには騙されない』シーズン4（ABEMA）に出演した生見愛瑠や『白雪とオオカミくんには騙されない』シーズン5（ABEMA）の山之内すずなどが俳優として成功を収めた。その他の作品では、『今日、好きになりました。』（ABEMA）から出身した本島純政や簡秀吉などが、その後『仮面ライダー』シリーズの主演を務めた例もある。今や恋愛リアリティーショーは俳優自身の魅力を視聴者にアピールする場として活用され、名前を広めるための強力なツールとなっているのだ。

　ではなぜ、恋愛リアリティーがこうした次世代の俳優を生み出す登竜門となっているのか。

　恋愛リアリティショーにおいて重要なのは、視聴者に共感を与える演技力だ。実際のところ、番組の視聴者は「どこからどこまでが番組の意図（脚本）なのか」は全くわからない。あくまで番組とはいえ、出演者たちの恋愛模様に大きな違和感を持たせてしまうようではまず番組が成立しないという前提がある。