社会問題を描く『シッコウ!!』がポップに映る理由 幸澤沙良に手を差し伸べた伊藤沙莉

『シッコウ!!』がポップに映る理由

 ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)が9月12日に最終回を迎える。特別編成のため、2度の放送休止を挟んだことにより、全9話という通常よりも少し短い物語となっているが、1話1話はそれぞれに異なるメッセージ性を放っていた。

 第1話の家賃滞納にはじまり、第2話の動画配信者の差押さえと、いわばありがちな、想像しうる執行先から徐々に現代の社会問題をも映し出した深いテーマへとメスを入れていく。サブストーリーでは長窪桂十郎(笠松将)の“宗教2世”という別視点での問題を伝えながら、ほぼ毎話にインサートされている“織田裕二のトレンディーいじり”を例にして、ドラマ全体をポップに、視聴しやすくしている。「執行官はみんな犬には苦労している」とはいえ、犬を登場させることによって、作品全体をマイルドにしている要素は大いにある。

 これまで『シッコウ!!』では、小原樹(織田裕二)や吉野ひかり(伊藤沙莉)らが反社会的勢力を相手にすることもあったが、第8話で動産執行の対象者となるのは19歳の女子学生・白河杏奈(幸澤沙良)。彼女は大学内で横行している投資詐欺に遭い、一人で悩んだ挙句に、個人間融資に手を出してしまう。個人間融資とは、WEB上の掲示板を通じて知り合った面識のない相手とお金の貸し借りを行うことを指し、そこからいかがわしい行為を要求するようなトラブルに見舞われる危険があるという。表沙汰にならなければ、検挙されることも、裁判にかけられることもない。法が助けられるのは、あくまで「助けて」と声を上げた人たちだけだ。

 母親にも相談できずに負のスパイラルに陥っていく杏奈に手を差し伸べてくれたのは、ひかりだった。女手一つで育ててくれた母を持つひかりにとって、境遇の似た杏奈を放っておくことはできなかったのだ。

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