『シッコウ!!』中島健人演じる栗橋が“肉食男子”化? ひかりと小原の“親友”という関係性も

『シッコウ!!』栗橋がひかりに迫る

 ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)最終章を前にした第7話のキーワードは「中立」。それは執行官の債権者と債務者に対する立場を示す言葉であるが、物語全体のテーマでもあるように思える。それは犬猿の仲ならぬ“ガメラとギャオス”状態だった由比千尋(ファーストサマーウイカ)と上野原美鶴(板谷由夏)が、虐待を受けているという犬のためであれば手を取り合う姿もある種の中立と言えるだろう。そして、中立の立場からはみ出しそうになってしまうのが、栗橋祐介(中島健人)である。

 以前からフラグは立っていた。それは分かりやすくというよりかは、わざとらしく。「頼む、付き合ってほしい!」と頭を下げた長窪桂十郎(笠松将)が吉野ひかり(伊藤沙莉)を連れ出す場面で嫉妬する栗橋の姿は、どちらかというとベタベタなギャグ漫画のようでもある。だからこそ、ひかりと栗橋が結ばれることはないのだろうと思ってはいるのだが、第7話では執行官室の面々の「肉食男子」という言葉に刺激され、栗橋がひかりの唇を奪いに行こうとするのだ。

 「昨今の若者は人生に対しても、恋愛に対してもさっぱりしすぎですよ」と声を荒げるソース顔の小原樹(織田裕二)。何顔なのか、結局カテゴライズはされなかった栗橋は、アパートのエントランスでぐっすり寝ているひかりを見つけると、周囲を気にしながら彼女に歩み寄っていく。脳裏をよぎるのは「肉食男子でいかないと!」という小原の言葉。ケージの中で育ってきた室内犬が、外へと飛び出し爪を立てる――それは、まさにオオカミ。だが、顔を近づけたところで大家の青柳昌代(宮崎美子)が「おはよう」と声をかけてくるのだ。

 正直、予想できた展開ではあるが、まだ終わりではない。一晩中、たくさんの犬を保護していたひかりは、すっかり犬臭くなってしまっていた。しかめっ面であからさまに、ひかりと一定の距離を取る青柳。つまりはそんな匂いすらも気にしなくなるほどに、栗橋は肉食男子としての本能で行動していたということになる。栗橋にいちべつもくれず、2階へと上がっていくひかりに、栗橋は情けなさそうな表情で立てていた爪を隠すが、それほどまでにひかりへの思いは本気なのか、それとも小原たちに駆り立てられてのものなのか、その本心は栗橋にもまだ分からないだろう。

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