『18/40』有栖と瞳子は似た者同士 福原遥&深田恭子の共同生活はどんな結末を迎える?

『18/40』福原遥&深田恭子は似た者同士

 年齢も立場も全く異なる、家族でも友達でもない“名前のない関係”の女性2人が励まし合い、助け合い、認め合って、互いの人生を推し進めてきた『18/40〜ふたりなら夢も恋も~』(TBS系)。

 キュレーターになるという夢への一歩を踏み出した矢先、突然の妊娠が発覚し涙する大学生の仲川有栖(福原遥)と、現代アートを扱う会社でアートスペシャリストとして大活躍しているものの、プレコンチェックの結果が思わしくなく、思わず声を上げて泣き出す成瀬瞳子(深田恭子)の2人の様子が、婦人科クリニックの点滴部屋でカーテン1枚隔てて描かれた。それぞれに自分にはこれから手に入れられないかもしれないものを持つ者同士、全く状況は異なるものの、女性ならではの困難に直面している。“自業自得”だと一蹴されてしまいかねず、なんとか涙を堪えていた有栖があそこで泣けたのは、20歳以上歳の離れたうんと大人である瞳子が、人目も憚らず思いっきり悔しがり傷つき泣いていたからだろう。自分よりも人生経験も豊富で社会的地位も信頼もあり、いわゆる“ちゃんとした”大人の女性が泣いている姿に、有栖はどこか安心したところもあったのではないかと思う。ひょんなことからそれぞれの最も脆い部分を共有した2人は、有栖がたまたま瞳子の勤務先が運営するアートカフェにバイトの応募をしてきたことで再会を果たし、共同生活を始める。

 様々な価値観が認められ始めているものの、未だ婚姻関係による共同体に代わる有用なコミュニティや結び付きのあり方の広がりが見られない日本において、彼女ら2人が相互補完し合いながら、互いの意志を尊重し合って生活する姿は希望でもある。さらに、有栖が息子・海を出産してからは、瞳子も子育てに積極的に参加し手伝っている。今でこそ、シッターや家事代行サービスを利用する家庭も増えてはいるものの、未だに日本では家庭のことや家事、子育てに家族以外の他人の手を借りることにどこか抵抗感がある人も少なくはないだろう。プレママ同士、ママ同士でしか交換できない情報や経験もあるのは確かだろうが、これからの時代、もっと様々な人と、血縁関係も超えて複数のコミュニティに所属し、共に子育て出来るような環境こそが求められているように思える。頼れる先が分散されているということは、母子双方にとって息が詰まってしまうような密室育児から解放され、子どもにとっても幼い頃から多様な価値観に触れられ、見守られながら育つことが出来る。まさにそんな最先端な子育て環境にいる有栖と海は幸運だと言えるだろう。

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