『真夏のシンデレラ』修の個性を丁寧に紐解く萩原利久 “ふじゅりく”シーンにも注目

萩原利久、キャラの個性を丁寧に紐解く力

 揺れる恋心と進展する関係から目が離せない『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)。愛梨(吉川愛)、修(萩原利久)、守(白濱亜嵐)の三角関係は、愛梨と修が交際することで一旦決着がついた。

 ここにきて修の印象の変化が目覚ましい。これまで正直すぎる性格が仇となり、きついことばかり言っていた修だが、実は友達想いで守の誕生日を気にかける優しい一面もあるとわかる。さらにこの“正直さ”は悪いことばかりではなかった。守と大学が離れてからも仲良くしていることについて「友達でいるのに成績とか大学なんて関係ない」と話すなど、正直ゆえの真っ直ぐな生き方も明らかに。デートをリードできる愛梨とは、いい関係性を築いていけるのではないだろうか。

 注目したいのは、修を演じる萩原利久の魅力だ。前半はかなりシビアなセリフもあり、ともすれば嫌われてしまうようなキャラクターである修を萩原は終始細やかに演じてきた。きついことを言いつつも、実は“いいやつなのでは”と思わせる絶妙な表情は、序盤から修のキャラクターをよく理解していたからこそなせるものだったろう。第8話では不器用ながらかわいらしさまで感じさせ、修の新たな魅力を披露してくれた。

 萩原は9歳の頃から子役として活動しており、かなり芸歴が長い。子役の頃は『週刊こどもニュース』(NHK総合)への出演の他に、人気バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)内で「オカレモンJr.」のメンバーを務めるなどして、芝居にとどまらず幅広い活動をしていた。俳優として広く世間に知られたきっかけは『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の逢沢博己役や主演を務めた『美しい彼』(MBS)の平良一成役などだろう。2023年4月期ドラマ『月読くんの禁断お夜食』(テレビ朝日系)においても主演として、ミステリアスで料理上手な月読悠河を魅力的に演じてくれた。この、グルメ×料理上手な年下イケメンという禁断の組み合わせは視聴者の心をガッチリと掴んだ。

 キャラクターの個性を丁寧に紐解く萩原の力は、『真夏のシンデレラ』でも変わらずに発揮されている。印象の違う役を短期間に演じても過去作をひきずらずにまったく新しい表現をする萩原を、視聴者はすんなりと受け入れ応援できる。そんなところも役者としての大きな強みなのではないか。公開中の『キングダム 運命の炎』では蒙毅役を演じ、9月には映画『ミステリと言う勿れ』の公開も控えるなど、この先の活躍も目覚ましい。

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