福原遥×深田恭子『18/40』が描く一歩を踏み出す勇気 恋の五角&三角関係も始まる?

『18/40』が描く一歩を踏み出す勇気

「18には18の輝きがあるように、40には40の輝きがある。あなた今、とてもキレイよ」

 そう娘に語りかける母の笑顔もまた美しかった。

 「もしあのとき……」と思いを馳せる分、別の人生があったかもしれない。けれど、最善を尽くして生きてきたこと。その積み重ねが、若さとはまた違った輝きを生む。火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(TBS系)第6話。有栖(福原遥)の出産を経て、いよいよ子育てが始まった。

 「2〜3時間ごとの授乳」と聞くと、その間は自由時間のように感じられるかもしれない。しかし、実際には寝かしつけに2時間かかってしまうなんてことも珍しくない。あっという間に次の授乳のタイミングになって、結局ずっと寝られない……そんな子育ての現実をひとつずつ描いていくのが、このドラマの誠実さ。

 瞳子(深田恭子)も2週間の“有給”という名の育休を取得して、有栖と一緒に子育てに奮闘する。残念ながら、今の環境ではすんなり育休を取れるわけもなく上司からチクチクと嫌味を言われたり、社長から「次は自分の育休を」なんてセクハラ発言を浴びせられたりと一筋縄にはいかない。それでも毅然と育休を取る瞳子が実に頼もしい。

 2人で手探りしながら始めた子育て。自分たちの睡眠時間はもとより食事を取ることだってままならない。ましてや、勉強する時間なんて取れない。なかなか休まらない日々に顔に疲れが出てしまうものの、それでも覚悟を決めた女性たちのなんと凛々しいことか。

 瞳子の有給が終わるタイミングで、瞳子の母・貴美子(片平なぎさ)も上京してくる。有栖の息子・海に「瞳子おばちゃん」「貴美子おばあちゃん」なんて自ら呼びかける姿は家族そのものだ。有栖と瞳子は「家族でもなんでもないんだから」なんて言われてもおかしくない関係性。それでも、貴美子が実感したように人を支えるのは家族だけとは限らない。

 一方で、男性陣のかわいらしい姿を見ることができるのも、子育て中の醍醐味だ。いつもは威厳のある有栖の父・市郎(安田顕)なんて「はぁ〜かわいいな〜」と目尻が下がりっぱなしでメロメロ。そして、祐馬(鈴鹿央士)もいつのまにか「祐馬にぃに」と呼ばれる距離感に。「ご褒美にダンスを教えてあげるからな」と海に優しく話しかける姿は、まるでパパと言われてもおかしくないほど。

 出産前はあれだけ不安に思っていた有栖も、今は心から「幸せ」だと言える。祐馬の「有栖の夢は逃げたりしないから」という言葉に、どこかいつも焦っていた気持ちとの付き合い方も身につけられたようだ。今は育児を精一杯頑張ること。そして回り道をしてもいつか必ず夢を叶える。そう腹をくくれるようになったのも、周囲の人たちに背中を押してもらえたから。

 だからこそ、今度は自分も誰かの背中を押せるようになりたいと思ったのだろう。バックダンサーオーディションの一次選考に受かったという祐馬に対しても「2次審査も頑張ってね!」と全力で応援する。そんな有栖の言葉が、友達としてのもの以上に祐馬を勇気づけているとも気づかずに……。有栖の夢と現実の折り合いがついてきたのと同時に、物語は一気にラブストーリー色が強まっていく。

 有栖への想いを募らせる祐馬。そして、その姿を切なげに見守るのは、祐馬の幼なじみ・綾香(嵐莉菜)だ。親同士が「許嫁に」と言っている近い関係だからこそ、なかなかその素直な想いを伝えられない恋心が見ていて苦しい。また、なぜか世奈(出口夏希)も有栖と祐馬の仲睦まじい姿を複雑な表情で見つめる。かねてより、有栖の元彼・康介(八木勇征)と連絡を取っていた様子の世奈だったが、どうやら特別な感情があるようだ。そこに康介まで有栖のいるマンションに駆けつけるという波乱の展開に。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる