浜野謙太の『どうする家康』織田信雄役はぴったり? 朝ドラ、大河で重宝される理由

浜野謙太が朝ドラ、大河で重宝される理由

 また、現在放送中のドラマ『警部補ダイマジン』(テレビ朝日系)では、主人公のダイマジンこと元捜査一課のエース警部補・台場陣(生田斗真)が異動させられた先の特命捜査対策班の警部、牡丹則行を演じている。強い正義感をもつ主人公が剛腕を振りかざし、法では裁けない犯人に対して「悪をもって悪を制する」ダークな物語なのだが、緊迫したシーンが続くなか、牡丹則行が登場すると不思議なほどの安心感に包まれる。大学で行動心理学を研究し、行確(行動確認)のスペシャリストなはずなのに、第1話から上司である特命捜査対策班の室長・平安才門(向井理)を渋々助けにいって犯人から銃で撃たれてしまうという残念なところも含めて愛おしい存在だ。

『警部補ダイマジン』©テレビ朝日

 また、生田斗真と浜野謙太の掛け合いは絶妙で、作品にほどよいアクセントを加えている。2021年に放送されたドラマ『書けないッ!? 〜脚本家吉丸圭佑の筋書きのない生活〜』(テレビ朝日系)でも2人は共演。主人公の脚本家の吉丸圭佑(生田斗真)が突然舞い込んだゴールデンタイムの連ドラの仕事に悪戦苦闘していると、どこからともなく謎のスキンヘッドの男(浜野謙太)が現れる。スキンヘッドの男は圭佑にしか見えない存在で、どうやら圭佑の分身らしいのだが彼の胸の内を見透かしたような毒のある発言をする。追い詰められる側の圭佑は「ツルツルの男」の出現を警戒するのだが、そんなのお構いなしでズケズケと言いたいことだけ言っては勝手に消える「ツルツルの男」。不気味で、ふてぶてしいのに、なぜか憎めない「ツルツルの男」を演じた浜野謙太の底知れない才能を感じさせる役柄でもあった。

浜野謙太、“ツルツルの男”として『書けないッ!?』に緩急を生む 生田斗真もハマり役に

生田斗真が主演を務めるドラマ『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(テレビ朝日系)が面白い。  テレビ朝日の…

 そして本作で演じる織田信雄。そもそも、織田信長の次男として生まれた信雄は「本能寺の変」で父の信長と長男の信忠が自害したため、混乱の中にあっても信長の後継者は自分……だという誇りは持っていたはず。本来なら織田家の当主となるべきところを秀吉が後継者として推したのが信忠の嫡男でまだ3歳の三法師だったときも「自分の立場は?」と疑問を抱いたはず。

 才能あふれる秀吉や天下取りに向けて力をつけつつある家康のような長いものに巻かれつつ、どうにか自分が生き残る方法はないかと模索する人間味ある信雄を浜野がどう演じてくれるのか。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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